ナレッジスタックニュースレター、今回は「PARAメソッド」というものをざっと紹介してみたいと思います。
PARAメソッドというのは、TIAGO FORTEさんが考案したデジタル情報を管理するためのシステムで「プロジェクト」という言葉について、よいヒントを与えてくれる方法論でした。
システム全体に関しては有料で公開されているのですが、下記ページで無料公開されている部分だけでも非常に参考になります。
The PARA Method: A Universal System for Organizing Digital Information - Forte Labs
PARAメソッドとは
PARAメソッドというのは、Project, Area, Resouces, Archiveという4つの概念を使って情報を分類する情報整理の方法論。自分の責任範囲(Areas of responsibility)と、現在進行中のプロジェクト(Project)を明確に区別する、というのが特徴です。
それぞれの概念をざっと説明します。
プロジェクト: 一連のタスクがゴールとリンクしており、締め切りがあるもの
エリア: 時間をかけて常にメンテナンスすべき自分の活動領域
リソース: 継続的に関心のあるトピックやテーマ
アーカイブ: 他の3つのカテゴリーのもののうち「アクティブでないもの」
一言でいえば、PARAメソッドというのはこの4種類を基準にして情報を整理しましょう、というそれだけのシンプルな考え方。
ここから先の具体的内容は無料部分には書かれていないんですが、4つの分類方法の概念さえ理解できてたら十分じゃないかな、と思います。
(2017年の記事とは思えない時代を感じるスクショと、手動で各アプリのフォルダを揃えてる画像が、長く続けるのがめんどくさそう、と感じさせるし、シンプルであるため他の仕組みに組み込みやすい)
プロジェクトとエリアを混同しないことが極めて重要
4つの分類方法の概念さえ理解できてたら十分、と書いていますが、この概念は「プロジェクトとエリアを混同しない」ということをきちんと理解することがものすごく重要です。
この考え方は、あらゆる「タスク管理」を考える上でも是非とも知っておいて損はない、素晴らしいものです。
最も重要なのは、プロジェクトは締め切りや終わりがあるものしか作ってはいけない、ということ。そして、自分が常にメンテナンスし続けないといけない、終わりがないものというのはプロジェクトではなくエリアに配置するということ。
言い換えると、タスクリストでチェックをつけられないような項目は、タスクとして登録してはいけない、ということでもあります。
人事担当者に「スタッフを雇う」という仕事があったとしても、それは「プロジェクト」ではありません。
「スタッフを雇う」というのは人事担当者の「エリア(責任)」のことです。
プロジェクトというのは「営業職の人間を1名雇う」という終わりがあるものにしないといけません。
これは、自分がどれだけの仕事を抱えているのか、というのは把握するためにも重要だし、中長期で「その仕事に価値があるかどうか」を判断するためにも重要なことです。
「人を雇う」という曖昧な言葉だけでは、自分はどれだけの仕事をしなければならないかはわかりません。
エリアという責任範囲の元で、自分の「プロジェクト」はなんなのか。これをきちんと見えるようにすることでようやく自分がやるべきことが見えてくる、とも言えます。
エリア(責任)とプロジェクトは真逆のアプローチが必要
エリア(責任)とプロジェクトをきちんと区別しないといけない理由は、この2つのものは真逆のアプローチで考えないといけないものだからです。
プロジェクトというのは、集中して1つのことにまっすぐ突き進んでいくという「素早い行動」が必要です。
対して、エリアというものは全体のバランスを考え、自分に必要なものか判断し、習慣として取り入れていくかどうかを決めていく、という「ゆっくり考えて、決める」ということが重要です。
これがごちゃごちゃになってしまうと、本来ゆっくりと決めなければいけないことを考えなしに決めてしまい、素早く進めるべきことがいつまでも終わらない、ということになりかねません。
本を書く、というプロジェクトは「執筆」というエリアとは違うので、必ず目標があり、終わりが見えていないといけません。(自戒を込めて)
ダイエットというのは健康エリアの1項目であり、痩せたいならば「5kg痩せる」というゴールが必要です。
そのプロジェクトはゴール(目標)と結びついているか?
エリアとプロジェクトをきちんと整理できたら、最後にもう1つ「目標リスト」を作って、プロジェクトと比較してみる、というのがおすすめです。
プロジェクトを書いたリストと、目標を書いたリストを並べ、それぞれが対応するものを線で結んでみてください。
この時に出てきた「孤立した項目」を見てみましょう。
ゴール(目標)のないプロジェクトは「趣味」と呼ばれ、プロジェクトが存在しないゴール(目標)は「夢」と呼ばれます。
これらを改めて見直してみると、自分がこれからどういうことをするとよいのかを考えるときの判断材料になるでしょう。
PARAの具体的な方法論自体についてもし興味があれば、オリジナルのサイトをどうぞ。
The PARA Method: A Universal System for Organizing Digital Information - Forte Labs
個人的には、この方法をそのまま真似するのは「過剰に管理しすぎ(メンテナンスコストが高い)」と感じるので、真似しようとは思いません。
ただ、エリア(責任)とプロジェクトという2つの概念は、確かに油断するとすぐにごちゃごちゃになりそうで、自分の仕事と、やりたいことなどを整理するには非常に素晴らしい考え方、フレームワークだな、ということを感じます。
TIAGO FORTEさんは、
実行ツールと結びつかないPKMのアプローチは、永遠に後回しにされる運命にあると信じています。
とも言っています。
確かに、PKMという概念自体は非常に面白いものですが、それ単体ではなんの成果も残さない、というものまた事実。
知識を管理するとかってのが楽しいのは間違い無いんですが、やることやらなあかんよな、ということも忘れないようにしておかねば、と思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。
実は以前に以下のようなことを考えてる、って書いていたんですが、書いてみてまたもや「なんか違う」という感じになってきて、相変わらず「俺が欲しいのはどんな形なのか」というのを模索している状態です。
充実したコンテンツを、いかに鬱陶しく感じないようにメールで届けるか。
最近こんなことをよく考えており、一つのアイデアとして「普段の投稿はメール配信をせず、週に1回これまでのことをまとめた、短いニュースレターをお届けする」という方法を考えだしました。
Obsidianで一回まとめた「エバーグリーンノート」的な内容を元にニュースレターを書く、ということ自体はすごくスムーズにできるようになったので、そういうメタな、ごりゅごオリジナルな内容もそのうちまとめられたらな、と思います。