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下書きマインド執筆法

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アトミック・シンキングをベースに『新しい価値観へのシフト』を目指していきます。この思考法はZettelkastenとEvergreen notesをベースにしています。最近はデジタルツールObsidianを活用する話が多め。
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下書きマインド執筆法

下書きだと言い聞かせて前だけを見て書いていく

goryugo
Mar 7, 2022
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下書きマインド執筆法

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前回お送りした『アトミックノート術』原稿へのたくさんのいいねや感想、ありがとうございました。どうやら、お送りしたニュースレターは記事を非公開の状態にしても「いいね」は内部的にカウントされているみたいで、今までで一番多くの反響をいただけて大変うれしく思っています。

いただいたご意見はものすごく参考になるものばかりで、これらを元に今は下書きの清書を進めている最中です。(4月にはなんとか発売したい)

ちなみに、今回の本はすごく久しぶりにゼロから全部自分で文字を書いた本でした。(5〜6年ぶりくらい)

原稿をゼロから立ち上げて全部書くというのは久しぶりすぎていろんなやり方を忘れてしまったので、なにもかもいろいろリセットして、今回は「下書きマインド執筆法(仮)」という執筆の進め方を試しています。

まだ「1回目(未完了)」の段階でこういう話をするのは早すぎるのかもしれませんが、現段階でこの方法は(少なくとも自分にとって)この上なく素晴らしい方法ではないかと予測しています。

今回のニュースレターではこの「下書きマインド執筆法」について、どんな風にやっているかや、なにがよいのかについてなどを考えてみたいと思います。

「書く」という行為は複雑すぎる

「書く」という行為は、言葉にするときわめてシンプルですが、その行為は複雑怪奇という言葉がふさわしいほどに多くの要素が含まれています。

『How to Take Smart Notes』の中では「書く」ために必要な行為として以下のようなものが挙げられていました。1

読む、理解する、考える、アイデアを得る、関連付ける、用語を区別する、適切な言葉を見つける、構成する、整理する、編集する、修正する、書き直す

単純に数えて10個以上の項目があり、もうこれだけで人間が同時に意識できるといわれる「マジカルナンバー7」の数字を超えています。

普通の人間がこれらをすべて同時に意識しながら書く、というのは文字通り「人間業ではない」ということがよくわかる結果になっています。

下書きだと言い聞かせて前だけ見て書く

そこで今回ごりゅごが「書く」にあたって考えたのは、ざっとアウトラインを決めてしまったら、あとは文章の構成やつながり、わかりやすい表現なのかということは気にせず、とにかく「書けることだけを書く」「前に進んで書く」ということだけを意識して書くことでした。

この方法は、ほとんど倉下忠憲さんの「バザール執筆法」ほとんどそのままの方法です。

参考

  • 『バザール執筆法』 - 倉下忠憲の発想工房

  • 第五十回:Takさんとバザール執筆法について by うちあわせCast

とは言え多少自分なりの解釈の違い、イメージの違いなどもあるのは事実で、自分が実際に書く際には特に「これは下書きである」という意識を持ち続けることでした。

とにかく「振り返らない」

なんかこの文章分かりにくいなあ、とか考えても、もどって消したりせず、あとでここはもうちょっとわかりやすく書けばいいや、と考えて修正しない。

なんかこの順番だと分かりにくいなあ、なんて場合でも「あとで順番考えればいいや」と考えてとりあえず先に進。

とにかく今書いているのは下書きだから、わかりにくいとかわかりやすいではなく「文章のアウトライン」が完成すればそれでいいという心がけでひたすら前に進んでいきました。

唯一意識していたのは、わかりやすいかどうかは気にしなくていいけど、箇条書きや途中で文章を終わらせるということはせず、きちんと文章としての「かたち」だけは成り立ったものを書くということ。

こういうルールで書いてみると、たくさん文字を書くということだけはすごくスムーズにできました。調子がいい時期は毎日時速2000字を超えていたりして、ものすごく自己肯定感が上がります。こんなの体験したことないというペースでの「たくさんの文字を書く」体験で、俺ひょっとしたらすごい早く文章書ける人なんじゃね、という気分を味わうことができました。

もちろんこうやってたくさん文字を書けた理由は、すでにObsidianで散々書いて考えてきたことだったから、というのも大きな理由なのは間違いありません。(その証拠に、今現在「足りない」部分を書くのには見事に行き詰まっています)

本を書こうとして「書いたものの価値」がわかってきた

こうやって「下書き執筆法」をやってみて、自分なりの自分なりの執筆プロセスの組み立て方、Obsidianがどのように「本を書く」というのに活かせるのか、ということがかなり見えてきたような気がします。

Obsidianに「考えたこと」や「学んだこと」をアトミックに書いてまとめるというのは、文章の練習、理解を深める、考えを深める、など色々な効果があると考えていましたが、ちゃんと「執筆」にも活かせるという自信に繋がりました。

自分が考えていることがうまく文章で表現できないのは、要するに結局文章を書いていないから。

うまく書けない理由は「自分が思っていることを文章として表現する」という「大きな意味での文章力」が不足しているから。

またもう一つは、考えていることへの理解が足りないことが原因で、書こうと思っていることを文章として表現できない「理解力の不足」

自分が考えたい(=書きたい)と思っていることは、結局まず自分で文章にするという経験をするしかない。これができてようやく「本番」でスムーズに文章が書けるようになる。

どれだけ自分の頭の中で考えて、理解したつもりになっていても、そのことについて「一度も書いていない」ことをいきなり書くのは(凡人には)無理。Obsidianに「アトミックに書く」というのは「大きな意味での文章力」の練習でもあるし、次に書くときに書けるようにするための「書けるようにすることが目的の理解の仕方」でもある。

ここまでがある程度できていたから「書けることをとにかく書く」ということができたのではないか、と思うに至りました。


と、この文章も同じように「下書きシステム」を使って、まずは「書けそうなことを書くだけ書いて」あとから修正する、という方法で書きました。

ナレッジスタック自体もこういう風に「書く練習」と「書く方法についての実践」なんかにも役立っているなあ、と実感しています。

なお、下書きにあたってはたとえば↓のようなタイトルのノートを見ながら書く、という方法を使いました。

  • [[書くことでわからないことなんなのかがわかる]]

  • [[書いてみると、何がわからないかが見つかる]]

  • [[書くということは白紙からのスタートではない]]

  • [[文章を書くことを小さなステップにわける]]

機会があれば、こういう方法も、また「書いて考えて」ニュースレターでお届けしたいと考えています。


  1. ここで書かれていたのは「論文を書く」ことに必要な行為だったが、きちんと文章を書こうとする場合には大抵どれも必要と判断した。 ↩︎

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