12月19日に、iPad Workersの中でObsidianノート講座(ノートをアトミックにするための方法)を開催しました。
講座は「サンプルとしてもらった添削用ノート」を見ながら、具体的にノートをアトミックにしていく、ということを考える実践的な内容で開催しました。要するに、書いたノートアトミックにしてエバーグリーンノートを作るにはどうするといいのかということについて、具体的なところをちゃんと具体的に語ろうというイベントです。
人のノートを見せてもらいながら自分の考えを言語化するというのは非常に難しいものだったんですが、自分一人では絶対にできない貴重な体験で、かなり自分のノート術の体系化を進められました。(@zasuyukaさんご協力ありがとうございました)
今回から何回かに渡って、この体験を踏まえての「ごりゅご的アトミックノート術」の言語化に挑戦していきたいと思います。
まず今回は「今あるノートをどんな切り口で育てていくのか」という話。
4つの切り口でノートを「育てる」
ごりゅごのObsidianノートは、ほとんどのノートが「ノートをアトミックにする」ことが目的です。(このあたりの理由や背景は今回は割愛)
アトミックノートについての簡単な解説はこちら
とは言え、ごりゅごが今までに書いたノートのうち「アトミックなノート」というものは全体の一部でしかないし、それらも当然最初はたいてい「ただのメモ」です。これらのノートは、なんらかの切り口で深堀し、アトミックな内容に改変していったものばかり。
ノートをアトミックにしていく方法というのはいろいろなものが考えられるんですが、今回はそこに4つの切り口、視点というものを考えてみました。大抵のメモはこれらの切り口から紐解いていくことで、少しずつ「アトミックなノート」に進化させていくことが可能です。
このノートはどういうノートで、どういう切り口からノートを整理するとよいのか。そんな時のヒントになればと思います。
すでに書いた文章をアトミックにする
最初の切り口は、ある程度自分が書いた文章が存在するときに有効な方法です。
アトミックという概念を知る前に書いた文章などが残っている場合に、書いた文章を「また使える」ようにするためにノートを「1つの要素ごとにわける」ということをしてみます。
自分が一度文章を書いてる内容は「理解ができている」可能性が高いので、比較的簡単に「アトミックなノートにわける」ということが可能です。
問題は、すでに書いてある文章から余計なものを切り落として、そのノートだけで内容が完結するようにするのがめんどくさいところ。すでに書いた文章というのは基本的に「前後のつながりがあって成立しているもの」で、それを「ノート1つだけで全部わかるようにする」というのは中々に大変です。これをまじめにやってみると「文章」というものと「アトミックノート」の違いを思い知ることになります。
ごりゅごは自分の過去の文章でこれを試してみたところ、ほとんどのものが「内容が超薄い」ということに気がついてしまい、ショックを受けました。(これからは内容がある記事を書こうと思ってナレッジスタックを始める原動力になった)
1行メモからアトミックにしていく
次の切り口は、いわゆる「思いつき」や「アイデア」など、その場で簡単に書き留めたものを発展させて、1つのアトミックなものを作っていくという場合。この場合はまず、最初のメモを元にして「フリーライティング」することがおすすめです。
フリーライティングについては以下の記事を参照。
フリーライティングによって「思いつき」の中身を掘り下げて、そこからノートのコアとなる部分を探してみる。大事なのはこのフリーライティングを手加減しないこと。いきなりきれいなノートを作ることは考えず、考えついたことをとにかくノートにひたすら書いていくこと。
ある程度書き出すことができてから、内容をじっくり読み返し、アイデアに「適切なタイトル」をつけて1つのノートとして独立させてあげます。(複数のノートが作れることも多い)
ノートを作って分割するときに重要なのがタイトルです。ノートの中身は未完成で全く問題ありませんが、タイトルだけは仮でよいのできちんと考えたタイトルを決める。タイトルなんてあとからいくらでも変えられるので、まずは「今一番適切だと思うタイトル」をその場できちんと設定して見つけられるようにしておくことが重要です。
知識を整理する
そして次は、学んだ知識を整理するという観点でノートを掘り下げる場合。分かりやすい例で言うと、読書メモをアトミックにする時に役立つ方法です。
書いた読書メモも、丁寧に読み返しながらノート1つで1つの話題が作れるように、ノートを細かく分割していきます。
ここでのコツは、それっぽいキーワードをリンクしてみるということを「しない」こと。キーワードでリンクを作ることはけっして悪いことではないんですが、アトミックなノートを考えることに慣れていないときには「思考を阻害する要因」になる可能性が高いです。
なにかそれっぽいキーワードみたいなものが見つかったら、ごりゅごが「トピックノート」と呼んでいる、そのテーマについてのノートを集めたノート、というものを作ります。
(今回のObsidian講座では「心的安全性」や「脳神経科学」というトピックノートを作ってみました)
トピックノートに「アトミックなノート」を集めてあげると、自分が理解しようと思っている内容を、少し高い目線から見直すことができるようになり、そのノートの他のノートとの関連性が見えてくるようになります。
また、一定量のノートが集まると、トピックノートの中でカテゴリのようなものが見つかります。これらを「手を動かして並べ替える」ことで、ノートとともに自分の知識もだんだん整理されていく感覚を味わうことができるようになります。
こうやってノートの中身がある程度理解できたら、またリンク先のノートを見直す。ノートの中身が掘り下げられると、同じトピックの別のノートとのつながりが広がったり、トピックに足りないノート、欲しいノートが見つかったりなど、様々な視点からノートを掘り下げていくことができるようになります。
トピックノートについては、こちらの記事もどうぞ。
考えを深める
そして最後が、最終段階とも言える、自分の考えを深めるという視点。これは、自分が書いた文章の「細かいところ」に自分で突っ込みを入れながら、自分の理解を確認したり、新しい質問を考えたりしながらノートの内容を掘り下げてい来ます。
基本的には自分が書いた言葉1つ1つを「これって本当にあってる?」「なんでそうなるの?」と確認していく作業ですが、ここもある程度質問のパターン・フレームワークなどがあると、ノートを掘り下げることが簡単になります。
この「自分が書いたノートで考えを広げる質問の仕方」についてはそれなりに長くなるので、また次の機会にまとめてみたいと思います。