生きることにこだわりを。魚住惇です。
前回までは、Obsidianのデイリーノートを活用して、「賢く買い物をして、設定作業のログを残す」をテーマについて2回に分けて書きました。
今回からは、"タスク管理"をテーマにして、デイリーノートを軸にしたタスク管理について話していこうと思います。
タスク管理に出会った日
まずは軽く、思い出話から。
唐突ですが、僕は手帳が大好きでして。きっかけは、中学2年生の時に、母親からミスドのキャンペーンでもらってきたシステム手帳を「使う?」と渡してきてくれたことでした。
高校生になると、携帯電話のカレンダーやメモの機能を使うようになりました。ちょっと物足りなかったので、PDAを買ったりもしました。身の回りの情報を集めて持ち歩く機器というのは何が最適か。常に考えながら過ごしました。
大学時代にはもう一度アナログに戻って、超整理手帳を使い始めました。A4用紙に印刷したものが手帳のリフィルになるという構造が面白くて、大学生活の役に立ちそうなものを作っては印刷して遊んでいました。
その成果の一つが、ウィークリースケジュール表です。大学1年生だった当時、Excelで作りました。
スケジュール管理についてはそこそこできるようになったなという感じがしましたが、僕の大学生活では学内の学生アルバイトにゼミにサークルにと、参加する組織が増えるごとに、どんどんその中で責任のある仕事を任されるようにもなりました。
そうなってくると、やらなくちゃいけないことを頭の中だけで把握したり整理することが厳しくなってきました。当時はノートパソコンを持ち歩いていましたが、その頃の端末は持ち歩くにしては大きくて重たく、ちょっと確認したいなと思った時に気軽に開くものではありませんでした。
「あれをやった、これはまだやってない」と、自分がやるべきことの進捗を管理するのに、何か最適なものはないのか。
電車で通学している途中でそんなことを考えていて、超整理手帳に挟んでおいた真っ白な紙に、思いついた順番に上からやるべきことを書いていきました。
そして、書いた内容の左側に□を書いて、終わったらチェックを入れました。この作業を行き帰りの電車の中でやると、大学に到着してから次の行動に早く移ることができたり、大学の帰りに寄るべき場所に忘れずに行くことができるようになりました。
真っ白な紙に手書きで書いているだけなので、書き方も自由に工夫することができました。特に役だったのが、進捗状況の把握です。
なかなか□にチェックが入らない項目があったとしても、決して何もやってないわけではなく、チェックすることができなくても、その途中まで進めた状態のものがあれば、その項目の近くに「●●まで進めた」などとメモを残すようになりました。
僕にとって大発見でした。空欄とチェックの間にも、それこそ自分が書いた分だけ無数の段階が存在するんだということに、その時気づきました。
しかし大学を卒業して、ご縁があって常勤講師として学校で働くようになると、超整理手帳が学校での働き方に合ってないことがわかり、いつの間にか使うのをやめてしまいました。
それからはそれこそ、仕事が出来ないビジネスマンの典型のような働き方で、それはそれは酷いものでした。机の上にはやることが書き出してある無数の付箋、PCのディスプレイにも何かしらの付箋。
もはや何から手をつけて良いのかわからない状態に陥りました。
この頃は、現在アンバサダーを務めているスクールプランニングノートとも出会っていませんでしたし(そもそもこの頃は存在すらしていなかった)、もう溢れんばかりの情報に翻弄され続けました。
付箋が散らばっている様子は、僕自身の頭の中そのもので、思いついたものがそのまま散らかっている状態でした。もう整理する気も起きませんでした。
ごりゅごさんとの出会い
その後僕は常勤講師から別の学校で非常勤講師となり、少し時間に余裕ができました。と同時に、お金の余裕もなくなりましたが。
そんな2012年の6月に初めてMacBookAirを購入して、ブログを書くことを頑張ろうと思い立ちました。
WordPress自体は2008年から使っていましたが、テーマは配布されていたものをそのまま使っていましたし、内容もそこまでこだわっていませんでした。
MacBookAirを購入してから1年ほどブログを自分なりに書いていて、セミナーみたいなものがあれば参加したいなと考えるようになりました。
その流れで、ごりゅごさんが開催していた"名古屋オフ"や"ブログ合宿"に参加するようになっていったのでした。
それと同時に名古屋ライフハック研究会というグループがあることも知ることになり、ここでいよいよ”ライフハック”という言葉に出会いました。
タスク管理やGTDとの出会い
実はライフハックという言葉と出会う前から、大学時代には野口悠紀雄先生考案の「超」整理手帳を持ち歩いていたり、『「超」整理法』を読んで講義のレジュメを封筒で押し出しファイリングでの整理を実践していました。
そんな僕が、ライフハック界隈と出会いました。今思えば、これはもう運命としか言いようがありません。
書類整理に悩んだり、手帳はどれがいいかと困ったり、ついでに言うと書きやすい文房具は何かなど。この手の話はマニアックでありながら、自分自身が求める答えに辿り着くまでの道のりがあまりにも長い。
そう、大学時代には、一度は僕の情報整理環境は完成していたんですよ。大学の講義は半期で十数回。つまり授業ごとの封筒を作ったとしても1つの講義あたり10枚程度の封筒で事足ります。その講義がある日には、前回のレジュメが入った封筒をカバンに入れて通学していました。
「超」整理手帳は元々はA4サイズを4つに折ったサイズですが、僕はアンケートに回答して当選したA5サイズのイームズ製のカバーを愛用していました。スケジュール管理も手帳で完結していました。
そんな僕でも、教員(当時は講師でしたが)として働くようになって、「超」整理手帳が学校生活と合わないことがわかり、会議の資料が多すぎて封筒じゃ捌ききれないことを痛感しました。
大学生の頃はあれだけ予定も書類も整理できていたのに、ライフスタイルが変わるとこうも役に立たなくなるのかってことを、嫌というほど思い知りました。
働きながら迷走しながら、結局は常勤講師から非常勤講師に立場が変わりました。非常勤講師となった僕は、部活動や分掌、副担任としての仕事から解放されて、授業だけをやれば良い身分になりました。
その分給料は低くなりましたが、教員採用試験の勉強もしたかったので、今思えばちょうど良かったと思います。
こうして心に余裕ができた時にブログを本格的に書き始めて、ライフハックという言葉に出会ったわけです。
タスク管理ツール、どれも馴染めず
ごりゅごさんが名古屋のイベントに佐々木正悟さんを呼んでくださって、GTDやらタスク管理やらの話をしてもらいました。2013年のことです。
もう僕は感動しっぱなし。自分がやりたかったことが、"タスク管理"って名前がついているんだとか。専用のアプリがあるんだとか。
それからはネット上で見かけたタスク管理ツールは見るたびに一通り試しました。ToodledoにRemember The MilkにTaskChuteに、WunderlistにTodoistにリマインダー、Things3やTickTickにTrelloまで。
でも結局、新しいツールを試した時には、その時に抱えていたタスクの項目名をどんどん登録していって、やったものだけを実行済みにして、全てのタスクを実行済みにすることができませんでした。
それどころか、登録したはいいものの、すぐには着手できないタスクが多く残ってしまい、そのリストを見るだけでうんざりするようになってしまいました。
なかなか空にならないタスクのリストを見ていると、見ただけでやる気をなくしていき、次第にそのアプリそのものを開かなくなりました。
いつもそんなタイミングで、何か良いタスク管理ツールはないものかと探していると、当時は新しいアプリの候補が意外とすぐに見つかるものでした。今思えばタスク管理ツールの過渡期だったのかもしれません。
新しいツールに飛びついたら、その時に自分が抱えているタスクをどんどん登録して、今度こそは!と使い続けようとしました。
しかし結果はいつも同じ。また永久に空にならないタスクリストを作っては、そのツールから逃げるように使用を辞めて、また別のツール探しを始めました。
タスク管理アプリとの相性が良くて、そのツールさえあれば、自分はどんなタスクだって管理して実行できる。そんな人のブログ記事を見つけたときは、本当に羨ましいなと思っていました。
あれから10年、当時から問題だと思っていた、どのタスク管理にも馴染めなかった問題は、Obsidianによって解決することができました。僕はそもそも、タスク管理アプリとの相性が良くなかったんだということも、Obsidianのデイリーノートでタスクを管理するようになってから気づきました。
デイリーノートでタスクを管理すればするほど、Obsidianが自分の生活にどんどん馴染んでいくのを肌で感じてきました。
さて次回は、既存のタスク管理アプリと僕との相性が悪かった原因に迫りたいと思います。その上で、デイリーノートを使ってどのようにタスクを管理していくのかをお話しします。お楽しみに!