生きることにこだわりを。魚住惇です。
前回の配信で、デイリーノートをどんな感じに使っているのかをご紹介しました。
もうかれこれデイリーノートを日常的に使うようになって、2年半ほど経とうとしています。
一番最初に記録を残しはじめたのが、2020年の11月ごろです。NotePlan3でファイルとして保存し始めたデイリーノートは、Obsidianに移行した今でも、ファイル名のフォーマットを揃えてあるので読むことができます。
一応、NotePlan3時代の命名法に揃えてあるので、またいつかNotePlan3に戻る機会があれば戻れないこともありませんが、ここまでObsidianを使っていると、もう戻ることもないのかなとも思うようになりました。
デイリーノートが元となって本が出版できた
さて、話は少し脱線しますが、『逆境に負けない 学校DX物語』という紙の本を出版することになりました。
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本のテーマは校内のDXで、どうやってデジタル化に反対する先生方を説得して、徐々にDXを達成したのかを物語として書いたものです。
物語というか、もうほぼノンフィクションです。
毎週水曜日に配信している「こだわりらいふnewsletter」では、進捗を随時報告してきましたので、その時その時にどんなことを僕が考えてきたのかを知りたい方は、そちらをご覧になってください。
なんでいきなり著書の宣伝をしたかというと、この本、デイリーノートがあったからこそ書くことができたんですよ。
誇張表現になるかもしれませんが、「デイリーノートを毎日書き続けていたら、それらをまとめた本ができた」は僕にとって紛れもない事実です。
初回の配信ではゲームソフト「カエルの為に鐘は鳴る」の日記システムになぞらえて、記録しながら行動すると、あとからその記録を見返した時に、そこから再開できるっていう話を書きました。
自分にとってデイリーノートの使い方は、これまでにお話しした感じの内容が全てです。
DX本の執筆そのものは2022年から始めたわけですが、執筆といってもゼロの状態から文章を書いたわけではありません。
過去に書いたデイリーノートをテーマ別にかき集めて、それらを見ながら時系列順に改めて書き起こしました。
メモなどの断片を1箇所に集めて、それらを見ながら文章を新しく書いていく。すぐ目の前に材料となる文章があるにもかかわらず、それらを見ながら書いた文章の方が、かき集めた断片をつなげただけの文章よりも格段に読みやすくなります。
デイリーノートに毎日の記録を残しておいたおかげで、原稿を書くということが本当に楽になりました。何せ断片全て揃っているんですから。
断片集めが大変だった
しかし、断片が全て揃っているというのは、あくまでObsidianのVault内での話です。
DX本は、大まかなテーマごとに分けて書くことにしました。Teamsの導入や、生徒1人一台端末の設定など、時系列だけで見ると重なっている部分が多々ありますが、それらをテーマごとに分けることで、読みやすくしてあります。
となると問題なのは、デイリーノートをテーマごとにかき集める作業が必要だということでした。
デイリーノートは「どれだけ書き散らかしたとしても、翌日には新しいデイリーノートが始まるので、散らかしたままでも気にならない」という利点があるわけですが、見えなくなることで書いた内容を整理しなきゃなとも思わなくもなってしまいます。
DX本の執筆で一番面倒だったのは、「これについて文章としてまとめよう」と決めたテーマに関連するデイリーノートをかき集めるために、2年分の日付を何度も往復する作業でした。
これがね、本当に大変だったんですよ。1つのテーマについての断片を集めて終わった後に、次のテーマの断片を集めようってなる。そうしたらまた最初から振り返り直し。
あーあ、ちゃんとトピックノートを作っておけばよかったなって後悔しました。
書き散らかした情報は、どこかで整理しておく必要があるんだなってことを痛感しました。その情報を後になって使おうとするときに、整理してあるのとしてないのとでは、作業効率が全く違います。
なので、一度書き溜めた情報は、後になって活用するためにも、整理整頓しておく方が良いなと思うようになりました。
「いやいやそれは、魚住先生が本の原稿を執筆したり、newsletterを配信したりするから必要な作業なんでしょ?自分ら一般市民は文章を発信することなんてないんだから、無駄じゃない?」
この文章を読んで、きっと多くが、そう思うんじゃないかなって、書いていて思いました。よく妻のゆかさんも言ってます。「私の毎日の記録なんて、誰の役にも立たないよ。」って。
そりゃ僕だって最初は無名のただの人でしたし、こうして本を出版する機会だって偶然の出会いから始まりました。
そのために原稿を整理した方がいい、だからデイリーノートを書いて整理する。
それももちろん一理ありますが、僕はきっと、NotePlan3やObsidianに出会ったら、本の原稿を執筆しなくともデイリーノートにハマってたと思うんですよね。
仮に、他の人から見て大したことのない人生を送っていたとしても、記録をしておくことで自分の人生が少なくとも豊かになると感じているからです。
では、デイリーノートを整理するという前提で話を進めるとして、デイリーノートとは別に、ノートを2種類作成することをここで提唱します。ウィークリーノートと、プロジェクトノートです。
ウィークリーノートについては、ObsidianのCalendarプラグインに組み込まれている Weekly Notesを使います。デイリーノート同様に、ポチポチやるだけで次の週などに楽に移動ができて結構便利です。
プロジェクトノートは、プロジェクトの進行状況をまとめたり、そのプロジェクトについて考える場所としてのノートです。
さて次回からは、デイリーノートに書き散らかした情報を整理する一環として、「ウィークリーノート」を作るぞっていう話を始めたいと思います。
お楽しみに!
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