生きることにこだわりを。魚住惇です。
前回は”心のエンジン”についてお話ししました。
毎日コツコツは自分には無理
心のエンジンがかかったら文章が書ける
エンジンがかからない時は、プロジェクトノートの整理を行う
こんな感じの内容だったと思います。僕は自分の心の中に、モチベーションを司っているようなエンジンがあり、そのエンジンがかかっている時は文章が頭の中からどんどん出てきて、それを入力するだけで原稿が出来上がっていくように感じています。ノリに乗っている時なんて、もう夢のようですよ。
では、心のエンジンがかかっていない時はどうするのか。何もやらずにNetflixや漫画に気が向いてしまっては、時間を無駄に浪費してしまいます。だから前回は、心のエンジンがかかっていなくてもできる作業をやろうという話をしたわけです。
ただ問題なのは、心のエンジンがかからない時に別の作業をしたところで、その作業をすることで心のエンジンがかかるわけではないということです。
ノートの整理という作業は、どこかのタイミングで必ず行う必要があるものだと僕は思っています。じゃないと書き散らかしたままですから。でも、いくらノートを整理していたとしても、僕は心のエンジンがかかりません。
つまり、心のエンジンがかかっていない時に行うべき作業には、ノートの整理以外にもう1つあって、それが”心のエンジンをかける作業”だということなんですよ。
毎日コツコツできないのなら、定期的に心のエンジンをかけないとタスクが回らないわけです。
というわけで今回からは、どうやって心のエンジンを書けていくのかに迫ろうと思います。
やる気のスイッチ
前回の配信原稿が書き上がったタイミングでふと思い出したんですが、一昔前に”やる気のスイッチ”と言う言葉がありましたよね。
今はもうあまり僕も口にしていませんが、スイッチをONにするとやる気が入るというようなニュアンスの代物で、人間の背中に大きなスイッチがあるイメージです。
「誰か、俺のやる気のスイッチを押してくれー」みたいな感じ。やる気スイッチグループの塾のCMが記憶に残っています。
でもあれ、僕はやっぱり違和感がありました。
いわゆるON・OFFスイッチは1と0の切り替えしかできません。つまりは0と100の状態しか表現できないということです。これでやる気を切り替えられるようにすると、やる気がMAXの状態と、やる気ゼロの状態しかそのスイッチでは切り替えられないことになります。
やる気やモチベーションって、ON・OFFですんなり切り替えられるものでしょうか。
少なくとも僕は、スイッチが入ったからすぐに集中できるような感覚にはなれません。スイッチが入っているような、テンションMAXの状態で文章を書けている時はあっても、一気にそのテンションに到達できるわけではありません。
最初はゆっくり始めて、徐々にペースを上げていき、モチベーションを高めていくことの方が現実的でした。
稀にありますけどね、一気にテンションが爆上がりして、「キタキタキタキタァ!」みたいなことが。でもそれはよっぽど何かきっかけがあって、どうしても文章を表現したい時だけです。
必ずしも毎回そうなるわけじゃないから、モチベーションが下がっている時でも実践できる”心のエンジン”のかけかたを見つけておく。
自分との対話でその手法を探して、見つけていくことが、波に頼ることなく継続的にプロジェクトを進めるためのコツだと僕は思います。
少なくとも、僕の背中にはやる気のスイッチなんてものはなく、どうにかして心のエンジンをかけて、ゆっくりでもいいからモチベーションを上げていくしかありませんでした。
佐々木正悟さんの事例
タスクシュートの使い手であるビジネス書作家の佐々木正悟氏をご存知でしょうか。僕は何度かお会いしたことがあり、過去にはzoomで会談した内容がKindle出版されることもありました。
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佐々木さんに文章をどうやって書いているのか伺った際に、「エディタを開いてそのまま文章を書いている」と聞いたことがありました。
しかも、「途中で妻に呼ばれて席を離れたとしても、戻ってきた時にその続きから書けるものだ」ともおっしゃっていたのです。
ご本人は「そうなるしかなかった。書けるようになるためには書くしかないのです。」みたいな言葉で締めくくっていましたが、僕は未だに半信半疑です。
自分が集中している時に話しかけられて?家事を手伝って、戻ってきたらその続きからすんなりと再開できる?何言ってんだ?この人は。
すごいなと思う反面、自分には絶対に真似できないなとも思いました。本当にそんな人がいるんだなと感心したものです。
佐々木さんの背中には、やる気のスイッチがあるような気がします。羨ましいです。
心のエンジンのかけ方を探そう
大体ね、家族に言われて発生するタスクというのは、ほとんどが発生した瞬間に実行しなければならないタスクです。少なくとも魚住家ではそう。
オムツ替えて
歯磨きさせて
これ運んで
洗濯物取り込んで
どれも言われたらすぐに実行しなければならないタスクばかりです。先延ばしになんてできません。例外的に待つことを許されているのは電話とトイレくらいなので、家にいる限り割り込みタスクからは逃げられないと考えるようにしています。
タスクが割り込んできたら、僕の場合は作業を一旦中断して、割り込んできたタスクを実行します。問題はそのあとの、作業に復帰するときです。
心のエンジンがかかっている時に一旦中断しちゃったら、大抵の場合はエンストしてるんですよ。ギア繋いだままブレーキ踏むから。当然ストール(失速)しちゃってるので、エンジンをかけ直して加速しなければ前に進めません。
そして、上記の例はすでに心のエンジンがかかっている状態から失速した場合ですが、もう1つのパターンとして、元から心のエンジンがかかっていなくて、今からかけたいということもあり得ます。
さて次回は、どうしたら心のエンジンをかけることができるのか。ここに迫ろうと思います。お楽しみに!