非エンジニアのためのclaudeループエンジニアリング
🚀番頭、手代、目付、主人でループを回す
新しい「ループ」の話。
プログラミング業界での生成AIの進歩の流れは早く、続々と新しい「開発手法」が発明されています。
初期の「プロンプトエンジニアリング」から始まり、その後「ハーネスエンジニアリング」という言葉が流行。そして最近はついに人間はプロンプトを書かないようにする「ループエンジニアリング」という世界に入ってきています。
ループエンジニアリングのキモは、ただ上手な指示を出すことを目的とするのではなく、文字通り「ループ」ができるようにする、ということ。自分自身で失敗から学び、指示、手順書自体を自己改善していく仕組みを作る。そういう仕組みを作ることで、文字通りに自己改善ループがまわり続け、自動でどんどん仕組みがまわるようになってくるようになる。
この概念は個人的にめちゃくちゃ興味がある分野で、めっちゃ面白いと思うからこそ自分も(プログラミングじゃない場面で)応用したいなあ、と思ってたんですが、具体的なイメージがなかなか掴めないままでした。
そんな中、最近見つけた下記の記事のおかげで、自分の中で「ループを回す」ということがかなりイメージしやすくなりました。
Build self-improving agent system with Fable 5 in 14 steps : loops, dynamic workflows, routines
この記事は、かなり「具体的なclaudeでの使い方」に踏み込んでくれていて、具体的にどうやってループを作るか、がかなりイメージしやすくなった。
この記事自体を生成AIと一緒に読みながら、ごりゅごの仕事をいかにして「ループ」にしていくのか。そんなことをここ数日はひたすらに試行錯誤し続けていました。
というわけで、今回は(非エンジニアのための)仕事ループ化計画について、ここまでできたところとかいろいろなところをまとめて整理してみます。
主人+番頭+手代+目付
まず結論。
上記記事に書いてあったことを「そのまま」真似してみても、自分が思っているような仕組みにすることはできませんでした。(なにをもって「そのまま」なのかは定義がむずかしいが、自分なりの仕組みがたくさん必要だと思った)
で、いろいろ試行錯誤して辿り着いたのが、またも「独自用語満載の独自の仕組み」なのです。
「ループ」を自分の環境で、自分がイメージするようにうまく動かせるようにしようと思っていたら、またしても勝手に独自概念が発展してきてしまった、みたいな言い方が正しいのかもしれないです。
で、今回辿り着いたのは「番頭」に続くサポート役の「手代」「目付」「主人」という(バーチャルの)人材と「大店経営」というループ運営のための概念。
さいきんおれ、なんかこういう変な名付けばっかりしてるなあ、と思うし、未だこの独自用語がどのくらい重要なのかもわからない。果たしてこの概念は人間がイメージしやするするためなのか、生成AIに平均の挙動をさせないための工夫なのか、人間とAIの「共通認識」をうまく整理するためにこういうことばを使っているのか。どれなのかはよくわからない。ただ、とにかくこういう言葉づかいをして仕組みを作ったら、これはかなりうまくいきそうだ、というところまでは進められたのです。
そもそも「ループ」とは?
というかその前に、最初に出てきた「ループエンジニアリング」とはどういうものなのか。正確さというよりは、ごりゅごがやりたいことのイメージとしてそれがどういうものなのかをちょっと説明してみたいと思います。
こういうのは実例があるといいので、具体例として、実際に実験している「ごりゅご.com(ウェブサイト)の運営」というのをテーマにして、これをいかに「ループ」にするか。そういうのを説明してみたいと思います。
ごりゅご.comは、2026年頭にリニューアルをして、生成AIベースの「まとめサイト」として育てていこうとしているものです。(ブログ的な機能もつけているけど全然うまく更新してない)
ではこの「まとめサイト」では、具体的にどんなことをやっている、やろうとしているのか?
このサイトの目的というか、このサイトでやろうとしているのは、これまでとこれから、ごりゅごが自分で書いたり喋ったりしたことをテーマやカテゴリで整理し、読みやすい形に整えて「わかりやすいサイト」として公開すること。
ナレッジスタックというこのニュースレターは「読んで面白い」ことと「役に立つこと」の2つを目的にしていますが、ごりゅご.comではこの「面白い」はあきらめました。LLMがあれば面白いことはできるけど、LLMは面白いものは作れん。それが結論。ごりゅごに無限の時間と無限のエネルギーがあれば、こっちも面白いものを目指すけど、それはできない。だから生成AIでそこをどうにか「まあまあ満足できるレベル」にする。
「わかりやすい」とか「役に立つ」ことだけに特化した「ごりゅごのことのまとめサイト」を、ループを使って、ごりゅごの変化に合わせて、自動で更新ができる仕組みを作る。
やろうとしてることはどれもこれも生成AIが得意なことで、原理だけをかんがえたらもう十分に「全部生成AIに任せられる」はずなんですよ。
ごりゅごが書いた記事や文字起こしを読んで、それを整理する。整理したものを、テキスト化してサイトにする。
そして、その「人間もAIもあとから役立てやすい整理の方法」として、めっちゃ頑張って「アトミックノートを作るスキル」を整備してきた。これが半自動で動けば、まず土台は出来る。
そして、最近はこの土台から「まあまあ満足できる公開用ページを作る」ことはできるようになりつつある。
ということは、ここに自己改善の仕組みをうまく組み込めば、文字通り「基本はお任せで時々チェックすればうまく動く」ものはもう完成しているとさえ言えるレベルになっている。
これがうまくまわれば、今後はごりゅごが何かを書いたり喋ったりする限り、ずっとサイトをアップデートし続けることができるはずなのですよ。
そしたら、たとえばあとはこのループをClaudeの「ルーチン」で定期的に動かし続けるだけでいい。
役に立つかどうかはまだわからんけど、自分的にはこれが動くようになる仕組みを作るというのは、めっっっっちゃ面白い試みだと思っているわけですよ。
具体的な役割
では最後におまけ的な感じで、ここでどんなことをやっているのか、という話を。
非常に面白いのは、この運営の仕組みというのが概念としての「会社経営」なんかととても似ていることが多いこと。生成AIって、かなりいろんな場面で「人間らしい挙動」をすることが多いと感じているんですが、今回の話で言うとさらに「複数の人間がいることのメリット」なんかまでが「人間らしい」感じがして非常に面白いです。
具体的には、さっきも書いたように「番頭」「手代」「目付」「主人」という4人の仮想人格が登場します。(メインループで動くのは3人)
基本的に仕事を回すのは番頭。番頭がまずやるのは、概念としての部下「手代」に「この仕事をやれ」という指示を出すこと。手代は指示書に従って実際の仕事をやるAIで、gc.comの例だと「今日はどの記事を手入れするか選ぶ手代」と「手入れした記事の効果を検証する手代」がいる。
生成AIの仕組みの話で言うと、指示書の内容についてはサブエージェントである手代に丸投げをする。
そして、サブエージェントから返ってきた結果を、別のサブエージェントである「目付」にチェックさせる。
ここでポイントが1つあって、目付はよくも悪くも官僚仕事に専念させて「型通りの報告が上がっているかどうか」を判断するだけ。内容の良し悪しは判断させません。
で、手代の報告と目付の検査結果を見て「これでいいか」を判断するのが「主人」。主人もAIなんですが、ここが大事なところで、主人は手代の指示書を読んでいない。だから「手代がどういうルールで動いたか」を知らない状態で、まっさらな目で報告を判断する。
なんでわざわざそんなことをするかというと、指示書を読んでしまうと「指示書通りにやってるからOK」という判断になってしまうから。指示書の枠の外にある問題が見えなくなる。主人が白紙で見て「これはおかしい」と思ったら、それは指示書に書いてないことがおかしいということで、それこそが改善のタネになる。
もしいい感じの結果が返ってこなかったら、それは手代が悪いんじゃなくて指示書が悪い。ここで出てくるのが番頭のもう1つの仕事。番頭は指示書を読んでよい唯一の役で、指示書のどこに穴があったかを特定して、その場で書き直す。直した指示書で再び手代を走らせる。
こういう感じで、番頭が仕切り、主人が判断し、番頭が仕組みを直す。1つずつの仕事を手代と目付に渡して「1ループ」を完成させる。
この「1ループ+主人確認」を毎日繰り返していけば、原理的には「無限に改善され続けるはず」なのです。
おまけ: 大店経営の基本ルールと実際の指示書サンプル
有料読者のみなさんへのおまけとして、今回の「大店経営」の基本ルールと、実際にごりゅご.comの巡回ループで使っている指示書一式を置いておきます。
まだまだ絶賛整備中で、このままで動くというよりは「今こういう状態でいい感じになっている」という程度ではあるんですが、人間やAIに読ませれば「あなたの仕事でこう使える」というアイデアの叩き台にはなるんじゃないかと思います。
中身は以下の通りです。
大店経営の基本ルール
役割の定義、一番の原則、主人が指示書を読まない理由、1巡の流れ、改善の二層構造
gc巡回サンプル(4本)
統括(主人の指示書) — 主人が読む唯一の1枚。店の一覧とモデルの割り当て
戦略選び手代指示書 — 「今日は何をやるか」を選ぶ手代への指示
効果検証手代指示書 — 手入れした記事の前後比較をする手代への指示
目付検査基準 — 手代の報告が形式として成立しているかの検査基準
全部 Markdown なので、Obsidian の Vault にフォルダごと放り込めばそのまま使えます。ダウンロードしたら、まず中の README.md を Claude や ChatGPT に読ませて「私の仕事だとどう使える?」と聞いてみてください。自分の仕事に合わせた具体的なループの案を出してくれます。



