アナログの紙をノートに貼って思い出として楽しむ、という趣味を始めました。2023年現在から見ると3周くらい回ってむしろ新しいんじゃないかという気がするくらい古典的な行為です。
やることはもうきわめて単純でなんにも大したことはなくて、どこかに出かけてなにか「貼れるもの」をもらったら、ノートに貼る。そうすると思い出ノートが増える。うれしい!
わざわざこの時代に100年くらい歴史がありそうな古典的なことを今この時代に改めてはじめたわけなので、やっぱりこういう時はその理由を言語化して、なにがいいのかを語りたい。これもまた自分の趣味の一つです。
なんでこんなことをやる気になったのか。なにが面白いのか。始めてから何が変わったのか。そんなことをまとめてみたいと思います。
増えるノートの上限が予測できるようになった
ごりゅごが十年以上ずっと紙のデータより電子データが好きだった理由は、電子データならば空間の占有がないからです。
自分自身は世間一般で言う「片付け好き」に分類される人間で、身の回りにごちゃごちゃいらないものが散らかっているのを非常に不快に感じます。(細かい話をすると、片付けが好きなのではなく、散らかっているのが目に付くことと、必要なものが見つからないのが嫌い。片付けという行為自体はただの手段で、その手法などにはさほど興味はない)
電子データは空間を占有しないということは、とりあえずどれだけ物が増えても「散らかってるように見えない状態」にすることが簡単です。となると、あとは必要なものさえ見つけられる状態であれば、自分にとって快適な環境が完成します。じゃあそれをいかにして実現するか。いかにして電子データを見つけやすい状態にしておくか。そんな方法についてずっといろんなやり方を試して、よりよい方法を考えるのが2010年代のごりゅごの趣味でした。
その十年間の経験により「自分はどんなものを残しておくと嬉しいと感じるのか」ということは比較的高い精度で理解ができるようになりました。自分が残して嬉しいのは、大雑把に言語化するならば「一点ものの情報」です。
どこかに出かけた時のパンフレットを残しておいてもあんまり嬉しくないけど、入場券の切れ端みたいなやつは残しておくと嬉しい。大雑把に言うとそんな風に分類できます。
結局どんなにたくさんの情報があっても、大半のものは捨てて問題ない物ばかりで、残しておくと嬉しいものは全体の中のごく一部のものだけ。
これがわかったことによって、今後の人生で得られるであろう残しておくと嬉しいものがどのくらいになるのかというのもある程度予測が出来るようになりました。
その計算によると、自分は「嬉しいもの」を今後全部物理で残しておいても問題なく管理できそうだな、とわかったのです。ちょっと長めに100歳まで生きられると仮定しても、必要なノートは多くて数十冊くらい。たぶん100冊に満たない。
ああそうか。思い出として残しておきたい紙をノートに貼っても、数十冊程度か。それならば残しておくと嬉しいものは物理のそのままの状態で残しておいた方が嬉しいな。そう思い至りました。
また、それ以外にも「残しておきたいものを貼るためのノート」が家にいっぱい余ってた、というのもこういうことをやってみる気になった理由の1つです。
もしも、わざわざ自分で新しくノートを買う、ってなると多分躊躇してたんですが、「いらないもの」を使って実験してみるなら、途中で飽きても気にならない。
これも大したことじゃないんだけど、どうも自分はそういう「買ったのに使わなかった」という体験は非常に嫌な気分になりやすいみたいなんですよね。それが100円や200円の物でも、買って使わなかったものが目に入ると、非常に気分が良くない。
最近はそういう「自分の気分の上がり下がりの法則」みたいなのが昔よりきちんとわかるようになって、自分の好き嫌いに対応した作戦を立てられるようになりました。そして、そういう作戦が立てられるようになったおかげで、新しいことを試しやすくったのかもしれません。
新しく貼れるものを探すのが楽しい
そんな感じで2ヶ月くらい「残しておくと嬉しい紙をノートに貼る」ということを続けているんですが、最近はこういう「なんか貼れるもんないかな」と考えてる生活自体が楽しい、と感じるようになってきたのです。
たとえばちょっと前にライブに行った時のチケット。音楽ライブのチケットって、今は超画一的なデザインで、見た目的な嬉しさはなんにもないんですが、それでもこれをノートに貼ったら楽しいかもしれない!そうやって見つけたチケットを「ノートに貼れる!」と喜んでノートに貼る。子どもとお出かけした時の入場券の半券。これもノートに貼れる!と喜んでノートに貼る。
こうしたチケット類は、現在は電子化が進んでいるからこそ、紙のチケットみたいな「貼れる思い出」を探したり、手に入れることが宝探しのような楽しさを作り出してくれるのです。どこかに出かけるたびに、どこかで「いい紙」を手に入れられないかな、ってワクワクした目線でお出かけができる。
これまではこういう紙って、電子化してくれればもっと便利で楽になるのになー、めんどくさいなー、ってマイナスの感情を生み出す出来事だったんだけど、今は真反対のプラスの感情を生み出す出来事に変わったのです。
「よっしゃ新しい紙ゲット!」
こういうしょうもないことで盛り上がることこそが人生を楽しむ秘訣なのではないか。そんなことを感じる次第です。
以下、おまけ。ごりゅごの思い出ノートの写真です。
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