数日前から、Obsidianに新しい保管庫(Vault)を作って、Obsidianを複数保管庫で運用しています。
基本的にごりゅごは、よっぽど特別な理由がない限りObsidianの保管庫は一個でいい、と思っているんですが、先日この特別な理由が発生しました。
今回は、なぜObsidianの保管庫を複数作ろうと思ったのか。どういう基準で複数の保管庫を使い分けているのか。それによってどんなメリット、デメリットが発生するのか、についてまとめてみたいと思います。
きっかけはギター
Obsidianの保管庫を複数作ろうと思ったきっかけは、20年ぶりに再開した「ギター」です。
今この時代にギターを練習しようとすると、ほとんどなにをするにしても、とにかくデジタルツールが便利です。YouTubeには数えきれないほどのギター練習のための動画があり、Kindle Unlimitedで色んな本を読めば基礎知識もまんべんなく身に付きます。そこからさらにいろいろ掘り下げていくと、無料で楽譜やコード進行なんかを配布してくれているサイトがあるし、お金を払えばもっと簡単に質の高い楽譜なんかも手に入ります。とにかくありとあらゆる演奏、練習に関する素材はデジタルの世界を通じて「安価」かつ「質の高いもの」が「たくさん」入手できます。
また、こうしたツールを全部手元で操作できるiPadの偉大さにも感心しています。「ギターを学ぶ」ことに関しては、手元にiPadが1台あればほとんど完璧。手元にギターを抱えてるときは、画面に直接触れることは普段以上に手軽で便利だと感じます。
こうしたデジタルな情報をうまく整理して練習するにはどうすればいいのか。ここ数日間はそんなことをわりと一生懸命試行錯誤していました。
最初はiPhoneやiPadに標準でインストールされている「メモ帳」アプリを使っていました。「🎸ギター練習」みたいなフォルダを作って、そこに本だとかYouTubeの情報を取り込んで、うまい具合に並べて楽譜にしたり、ポイントをメモしたりなんてことをしていました。
こうやってやりたいことを集めてると、シンプルにメモ帳だけで管理するのが段々大変になってきました。単純にメモ帳アプリは他のことにも使っているので、ノートを分別するだけで一手間がかかってしまいます。とりあえず保存するまではいいけど、そこからフォルダを移動させたりするがiPadだとちょっと面倒。
また最初はシンプルだった🎸ギター練習フォルダには、だんだんいろいろな種類のノートが増えてきます。気がつけば「今やってる練習のノート」と「興味があるからそのうちやりたい練習ノート」「後から見たい動画のノート」「後から読みたい本のノート」等々、数が増えれば増えるほどノートを探す手間も増えてきます。
たとえば読んだ本に書いてある「覚えておくといいこと」なんかは練習ノートと一緒に保存する必要はないんだけど、そうだとしたらそれはどこに残しておけばいいのか。練習の記録もちゃんと付けているんだけど、これはそれぞれのノートに保存するよりもデイリーノートを使った方が便利なんじゃないだろうか?
といろいろな思いが渦巻き、よし、なんかノートアプリを探そう、と思い立ったのです。
すべての要求を満たしてくれたのがObsidianだった
結論から言うと、最終的に「Obsidianにギター練習専用の保管庫を作る」ということに落ち着いたんですが、実は最初はそんなつもりは全然ありませんでした。
たしかにObsidianは便利なんだけど、普段使ってるObsidianにノートを作っていったら、メモ帳と同じ「他のことにも使ってるせいでごっちゃになって不便」という問題が発生します。
ごりゅごは、日常生活の中でObsidianを使いまくっているおかげで「情報が多すぎる」んです。デイリーノートには仕事、生活のログがたくさん書いてあるので、そこにギターの練習メモまで書くと情報が多すぎる。どうしてもギターの練習と関係ないフォルダやファイルがいっぱいある上に、それらはいつもと違う「iPad」での操作がメインです。
継続的に楽しく練習を続けるには、こうした「めんどくさい」は可能な限り排除して、できるかぎりシンプルな練習環境を手に入れないといけません。些細なことに感じるかもしれないけど、デイリーノートは「練習に専念できる」ようになっていないといけないのです。
どんなアプリ使おうか考えるときにそこまで複雑なことは考えてないんですが、まず最初に試したアプリは「Crafts」でした。Craftsにはデイリーノートの機能があって、iOS, iPad OSで非常に操作がしやすく、無料利用の制限も緩和されて「普通に使う」くらいなら大抵無料のままでもなんとかなります。ノートの見た目は簡単にきれいにできるし「共有」ボタンを使って簡単にCraftのデイリーノートにデータの保存も可能。もうなんかほとんどこれで十分やん、と最初は思っていました。
たぶんおそらくほとんどの人は「これで十分やん」なんですが、2点足りないものがありました。
動画の埋め込みとアプリ内再生
Craftsは「YouTube情報の管理」において(ごりゅごの使い方では)Obsidianを超えられなかったのです。
Obsidianの素晴らしいところは、マークダウンでシンプルにテキストが記述できることです。そして、HTMLを記述してもきちんと認識してうまいこと表示してくれます。これができるとYouTube動画を指定時間から再生することが超簡単にできるのです。しかもそれが、アプリを移動することなくObsidianアプリの中だけで完結します。(動画の埋め込み、という機能を使う。SafariからYouTube動画を開く必要がある)
しかもこの開始時間の指定というのはちょっとルールを覚えれば超簡単。埋め込みコードのstart=22
というところの数字を秒数で指定すればそれでオーケー。(end=
で終了時間も指定可能)
<iframe width="560" height="315" src="YouTube.com/embed/bubbFW-C7k4?start=22"title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe>
何回も見たい演奏も、これで時間指定してやればほとんど待ち時間なし。同じ動画の埋め込みを1ページに何個も作って、複数の開始時間を設定しておく、という使い方も可能です。
そしてもちろん、Obsidianは自由なノートなので、このYouTubeを埋め込んだノートにも自由に見出しや文章を追加することができるわけです。
メモ帳もCraftも、頑張れば同じようなことは不可能ではないんですが、結局こういうので重要なのはどれだけ簡単にそれができるのか、ということです。これはやっぱりObsidianを使うのが一番良さそうだなあ、と考えてて、そういえばObsidianは複数の保管庫が作れるじゃんということを思いだしたのです。
よく考えたら、ごりゅごはiPadでObsidianを使うことはほとんどないのです。iPhoneでObsidianを開くことはけっこうあるんだけど、iPadでは読書メモのためにメモ帳を使うことの方が多くて、Obsidianの情報整理はほとんどパソコンしか使いません。
それならiPadのObsidianは事実上「ギター練習専用」にできるじゃん。簡単じゃん。
Obsidianなら今までのテクニックをすべて使える
と、新しい保管庫でObsidianを使ってみて気がついたんですが、Obsidianなら自分が今まで何年も考えてきたノート整理のテクニックを、全部ギター練習ノートの整理に応用できるんですよね。
たとえば、動画(練習素材)一個一個をアトミックなノートとして分割しておいて「今やりたい練習」としてデイリーノートのテンプレートからリンクしておく。そうすれば、iPadでObsidianのデイリーノートを開けばすぐに「今日どんなことをやりたいのか」がわかります。この保管庫はギター練習専用なので、不要な情報が邪魔することもない。どんなことをやったのか、内容と、気が付いたこともちゃんと記録しておけばきっと上達に役立つはず。
また、今のごりゅごならば「気になってるけど使うかわからないノート」なんかも全部「今までと同じ方法」で管理すればだいたいうまくいく。それもまた何年もObsidian使ってきたテクニックをほとんどそのまま、同じように使うことができる。気になったノートを振り返る仕組みも確立してるし、複数のノートをまとめる「トピックノート」というのも「今までと同じ方法」でだいたいうまくいく。そうした観点でギター練習を始めてからのノートを整理してみると、すごくいい感じにノートが整理できて、すごく心もすっきりしてきています。
なによりも、20年前よりも環境がよくなり、自分自身の「学び方」も20年前より上達しています。
20年前よりもずっと楽しくギターを弾きながら、20年前よりもずっと上手にギターが弾けるようになるのではないかという期待。
今まで学んだ「学ぶスキル」を趣味に活かせる可能性が出てくるというという、いろんなことが「つながった」感じ。
この状態にすごくワクワクしています。
20年分の知識と経験を使って、今からどこまでのことができるのか。ギターを弾くという行為はかなり肉体に頼る部分が多いんですが、そこを年齢を重ねたことによってどうやってカバーできるのか。そういうことも含めて、今からどれだけのことができるのか。別にプロになろうと思っているわけでもないので、そういうことまで全部ひっくるめて趣味として楽しめればこんな素晴らしいものはないぞ、と盛り上がっています。
それにしても、今ここに至ってObsidianを別の保管庫で使えばいいということに思い至るまでに回り道をしているのとか、毎度いろんなところが抜けてる感じするんですが、そのあたりも自分の「味」で「まあいいか」って思えるようになってきています。
ということで最後に、複数の保管庫を使うべきか迷っている方に向けて、どういう基準で保管庫をわけるといいのかだとか、それによるメリットデメリットなどをさらっとまとめてみたいと思います。
複数の保管庫を使うかどうかの基準
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