Logseqを使うようになって興味深かった現象は、Logseqに書く情報量が増えたことによって逆にObsidianの価値というものが明確になったということでした。そして結果的に「今まで以上にObsidianが便利」になってきています。
先月まででだいたいLogseqについては一通りまとめることができたので、今月は「Logseqを使って改めて感じたObsidianの価値」というテーマを考えていこうと思います。
大きな流れとしてまず「ObsidianとLogseqをどういう風に使い分けているのか」という話から。その後、改めて感じた「こういう風にObsidianを使うのが便利だった」という使い方をまとめていく予定です。
現段階で、全部で4回(1ヶ月)で一通りの話が出来る、はず。
まずは、Logseqを使うようになって、Obsidianの使い方がどう変わったのか。どういう情報をObsidianに残すのか。そういった二つのツールの境界線について考えてみます。
最初に書くのはLogseq(迷わない)
仕事、生活に関わらず、なにか思いついたことをメモする場所は完全にLogseqになった。
じゃあそれによってObsidianの価値や使用時間が下がったのかというとそうでもない。体感的に言えば、むしろObsidianを使う時間が増えた、とも言えるくらい「執筆」「ノートテイキング」での出番は増えている。
このニュースレターも、最近は「Logseqで少しアイデアを出して」「Obsidianで書く」という手順を踏んでいる。だいたいの書き物は最近はObsidianを使う。この使い分けが、今はうまく「モードの切り替え」として作用している。
まずなんでも書いて考える場所がLogseq。Logseqの中身をある程度まとめて「文章」にする場所がObsidianというのが最近のイメージ。
翌日に必要なものを転記する
こうやって二つを使い分けるときに重要なのが「Logseqのとりこぼしがないようにすること」である。書いたメモは書いただけで終わらせず、必ずなんらかの「処理」をして完了にしなければならない。
そのために重要なのが、Logseqに書いたことを後日Obsidianに転記する、ということ。具体的には、毎日午前中に「LogseqからObsidianに転記する時間」を設けて、書いたものを振り返りながら「必要なもの」をObsidianに転記する。
では「必要なもの」とはどういうものか?
これは、簡単に一言では表現できない。というよりもこれが「機械的な処理ができない」し、機械的な処理をするべきではないと思っている。なので、なにが「必要なもの」なのかはすべて人力で判断して、考えながら転記する。そしてこれは一定以上のエネルギーがないとすぐに雑な判断をしてしまうので、エネルギーがある午前中に行う。
昨日のLogseqに書いたことを振り返り、「タスク」だと判断すればLogseq上でスケジュールして先送り。書いたものが「日記」や「日誌」だと判断できるならば「そのまま」
Obsidianに転記するのは、それ以外のもの。大抵はアイデアや思いつきなどに分類される内容のもの。
たとえば最近、以下のようなメモをLogseqからObsidianに転記した。
最初にLogseqに書いたのは、アウトラインの枝の部分。一段下にあるテキスト。あとからこの内容について「Obsidianでもう一回書いて」から「完了のチェック」を付けている。
これらのノートは今後は「Obsidianを使って考える」ことになる。つまり、自分にとって「必要なもの」というのは「タスクではない、近日中になんらかの行動を起こしたいもの」と言えるかもしれない。
思いついた段階では「どうしたらいいかわからない」が、これを元にして「ネタ」として活用したり、行動の指針にしたり、その後も継続的に「考え続けたい」ことをObsidianに書く。
これ以降は、Obsidianを使って「つなげて考えていく」ようにする。
Obsidianは緊急ではない重要なことを行うツール
こうやってLogseqから「必要なもの」だけをObsidianに書き写すようになって、自分の中でのObsidianの用途がはっきりしてきた。
Logseqは「今、目の前のこと」をスムーズに進めるために重宝するツールで「仕事効率化」カテゴリに属する。
対してObsidianは「今すぐこれが無くなっても困る」というタイプのものではない。ニュースレターの執筆はどんなエディタでもできるし、それ以上に重要な「アイデア」や「ノート」を放置しても、明日への影響はほとんどなにもない。
とは言え、一年以上こういうノート作りをしてきた実感として、Obsidianに書くことを続けることで、明確に自分の中の「知識が増えた」し「これまでより深く考えることができるようになった」とは断言できるし、今後も続けていきたいと思っている。
つまり、今の自分にとってObsidianは、7つの習慣でいう「緊急ではない重要なこと」を実行する場所であり、それを実行できるように補助してくれるツールなのではないか。
人間は、時間があっても時間がなくても「緊急ではない重要なこと」を進めることは難しい。だが、今のところ自分は「この上ない楽しみ」として実行できている。Obsidianを使った「ナレッジマネジメント」で「わかるようになる」「考えが整理される」という報酬が、大きな継続のモチベーションになっている。
人間は本来的に「知る」ことは快楽であるはず。その点を踏まえて「楽しくノート整理する仕組み・習慣」が作れれば、おそらく多くの人がObsidianを使って緊急ではない重要なことを進めることができるのではないか。
このあたりの仕組みや習慣作り、そこから得られるものをどう言語化して上手に伝えられるか。明確な答えが出ているわけではないが、こうやって今の自分が実践していることなどを書きながら考えて、少しずつ「楽しくノート整理する仕組み」を言語化していこうと考えている。
次回:トピックノートの話
↑の画像にも出てくるんですが、最近ちょうどObsidianを使ってて「いろんなことが一気にわかるようになった」と強く感じる出来事がありました。
そのきっかけになったのが、ごりゅごがトピックノートと呼んでいる、いわゆる「MOC」みたいなやつの使い方を改めて見直してみたことでした。
たくさんのノートにリンクしたノートが簡単に作れるのは、Obsidianの特徴であり大きな強みです。またこれは、今現在自分が考えうる限りで「もっとも効果的に頭の中が整理できる方法」でもあります。
すでに過去にニュースレターで「トピックノート」とか「MOC」の話はしていると思いますが、なにがいいのか、どういいのか、そのあたりについては改めてまとめていきたいと思います。