今年はこれまでの連載記事を踏まえKindle本の執筆に挑戦しようと思っています。
過去10回に渡って「デジタルノートツールで賢くなる」というテーマで連載記事を書いてきました。ツールの使い分け、読書、文章を書くといった私が生活の中で「賢くなる」をテーマにしていることを書きました。とりあえず書きたいことは書いた感覚があります。これまでと変わらずネタを見つけて書くこともやっていきますが、それとは違うことをしてみたいという気持ちがあります。そこで、これまでの連載の内容を一冊の本にまとめ上げてみたいと考えました。
誰からも頼まれていないのになぜ本を書くのか
誰から頼まれているわけでもないので、本を書かなければいけない理由はありません。そもそも市場的な観点からは需要はありません。また、私自身の生活においても、決して優先度の高いものではありません。つまり、商業的や経済的に合理的な理由はありません。
それにもかかわらず、なぜわざわざ本を書くのかと考えると、コスパが関係しています。多くの人が短期的な効率を重視する中で、同様に私も意識的にも無意識的にもコスパをもとにした生活を送ってしまっています。そうした生活から一歩離れて、長期的に価値があると思える行為として本を書くことに挑戦してみたいと思いました。
また、逆説的にですが、長期的にみれば本を書くことはコスパが良さそうだとも思っています。おそらくうまく書けないことが予想される一方で、挑戦し続ければそれなりにできるようになるはずだとも思っています。つまり、背伸びすればできるようになるくらいの自身の成長にとってちょうどいい難易度だと思っています。
本を書き上げることは単に長い文章を書けるようになる以上のことになりそうな予感もあります。本を書き上げることができたという自信にも繋がるでしょうし、それは満足度の高い結果をもたらしてくれる予感があります。つまり、自身の努力に対して、得られる結果が高そうという予感があるわけです。
私が目指す「賢くなる」とは、そうした短期的にはコスパは悪いけれど、長期的にはコスパが良いと思えることを行うことなのかもしれません。その意味で本を書くことは賢くなるための一つの方法なのではないかと考えました。
本を書くことが私に何をもたらすのか
本という形式で文章を書くことが自分にどのような変化をもたらすかを知りたい気持ちもあります。本と名乗るためにはある程度の分量の長い文章を書くことになります。また、あくまでも本の形式をとるつもりですので、web上に公開する文章とは異なるものになるでしょう。
さらには、販売するつもりなので、お金を支払ってもらう文章を書くこともどのような影響があるのか気になるところです。結果的に影響はあってもなくてもいいけれど、もしあるのであれば自分にどのような影響があるかを確かめてみたいと思っています。
あとは自分の人生に本を出すという出来事を位置づけてみたいという気持ちもあります。もし今年中に本を出せれば、2024年に本を出したという事実ができます。そうした事実によって人生の中に楔を打ちたいというか、のちのち振り返ったときに、あの時は本を初めて書いた年だったと思い出せるようにしたい気持ちもあります。
それと、せっかくなら1冊通して書いたからこそ見えてくるテーマを見つけたいところです。これまでの連載をベースにするつもりではありますが、おそらくこれまでの原稿をくっつけたらOKとはならないだろうことは予想できます。連載の内容を単に引き伸ばしただけの結論が出てきてもあまりおもしろくありません。1冊通して書いてみたからこそわかったことを見つけたいです。
経験のない挑戦をベストではない状況でチャレンジする
本を書くことは長期プロジェクトです。少なくとも私にとって決して簡単ではありません。ナレッジスタックの連載も先月はお休みさせてもらったのですが、実は現在は体力的にもメンタル的にもモチベーション的にもあまりいい状態ではありません。本を書くことは、この状態の私には挫折が目に見えている目標設定です。そのようなタイミングで宣言することには不安もあります。ですが、だからこそ、本の執筆への取り組みを決めたところもあります。
これまでに経験のない挑戦を、ベストでない状況でチャレンジし、可能であれば達成できるようにするのは「賢くなる」ための方法ではないかと思うからです。今後の人生において体力も気力もベストな状況というのは多くない気がします。自分の問題、家族の問題、世の中の問題が襲ってくるはずです。そのような状況でも、やろうと思ったこと、やりたいことに挑戦し、なんとか形にするという経験をしたいと思いました。
そしてこれは、やはり「賢くなる」というテーマとも合っている気がするのです。気が向いたときだけ本を読んだり、文章を書いたりするのでもいいですが、賢くなるためには気が乗らなくても日々情報を仕入れたり、文章を書いたりすることが必要だと思うのです。
もちろん、それができないこともあるだろうし、できなかったとしても問題ないとは思います。実際に先月は連載をお休みさせてもらったくらいで、無理なときは無理と諦めることもあるでしょう。また、本を書くことが生活の中で優先度が一番高くなることは決してありません。そういうベストではない状況や優先度がマックスには高くならない状況でも、時には休みつつ、それでも実現させることができるようにしたいという気持ちで取り組んでいきます。