前回の記事ではKindle本を書くという宣言をしました。今回は本を書くと決めてから最初の1ヶ月の取り組みについて書きます。
まず、ごりゅごさんに相談に乗っていただき、どんな本を書きたいと思っているのかを会話の中で探ってもらいました。経験者である先輩に直接アドバイスをもらえるのは、とてもありがたいことです。
アドバイス1:先に本っぽいものを作ってしまう
ごりゅごさんからいくつかアドバイスをもらいましたが、そのひとつが今ある原稿で本の形だけ作ってしまうというものでした。電子書籍を作るためには最終的にEPUB形式にする必要がありますが、その作業から始めてみるといいというアドバイスです。
電子書籍の形にするやり方がわからず億劫になって執筆が進まなくなる可能性があるため、一旦ゴールまでの道筋を確認してしまったほうがやる気が高まるかもしれないというアドバイスでした。
具体的には、でんでんコンバーターとPandocを使った方法を教えてもらいました。電子書籍を作るには王道のやり方のようです。でんでんコンバーターは初心者向け、Pandocは上級者向けという印象です。どちらも試してみました。
Pandocはまだよくわかっていませんが、やり方さえ覚えればObsidianで書いた文章をすぐにEPUBや他の形式(WordやPDF)に出力できるようです。コマンドを打つだけでEPUB形式の本が出来上がり、感動しました。
実際にやってみたところ、既に本っぽくなりました。皆さんにも配布したいと思います。
いかがでしょうか。連載原稿から内容は変わっていないにもかかわらず、それなりに本らしく見えてきます。不思議ですね。
ちなみに、本の形にしてみる作業をごりゅごさんのアドバイスなしに自分だけで1から始めてみたとしたら、面倒で先延ばししていただろうと感じました。
ここから教訓を導くとしたら、「賢くなるためにはまず人に聞け」かもしれません。私自身は人に聞くことがあまり得意ではなく、自分で解決しようとしてしまうタイプです。1から100まで聞いてしまうのは相手に負担になるので良くないかもしれませんが、人に聞くという方法を取るのは改めて大事だと思いました。最近はAIに聞くという手もありますし、積極的に人に聞いてみようと思います。
アドバイス2:「はじめに」を書いてみる
もう一つのアドバイスが、本のコンセプトや伝えたいことを見つけるために「はじめに」を書いてみるというものでした。それも1回ではなく5回くらい書いてみるといいというアドバイスでした。
本を書くためには本全体のメッセージやコンセプトを見つけることが必要なので、「はじめに」を書いてみることで、自分が本を書く上での動機や全体として書きたいことが見えてくるかもしれないというものでした。
その際、いきなり「はじめに」を書くのは意外と難しい作業なので、まずは良いと思った本の「はじめに」を真似して書いてみることをアドバイスされました。そこで、諸先輩方の本の「はじめに」を参考に自分の「はじめに」も書いてみようとしました。
単なる真似とはいえ、自分の言いたいことと他人が書いた文章を合わせてみる作業は意外と大変でした。アウトライン通りに書かなければいけない感覚になってきて、結局5回は無理で、1.5回くらいで力尽きてしまいました。
しかし、発見もありました。写経のように人の文章を真似てみたのですが、これが面白い経験でした。悪い意味ではなく、自分だったら出てこない言葉や表現が出てきます。まだ自分の文体というものがあるわけではないのですが、他人の文章を真似してみることで、自分の文章の手癖があることに気づきました。
本作りに直接影響するかはわかりませんが、人の文章の真似はこの後もやってみようと思いました。
今までの原稿を読み直し、本として何を書きたいのかを考える
アドバイスとは別に、必ずしなくてはいけないと思っていた作業に今までの原稿を読み直すというものがあります。
今までの原稿を読み、それを箇条書きにメモし直すということをしました。できればすべてをアトミックノートにしたかったのですが、今月はそこまではできませんでした。
しかし、読み直したりアウトラインを考えるところまでやってみて、何を書きたいのかが少し見えてきました。
私が本で書きたいことは、
頭が良くなるという賢くなるという意味だけでなく、できないことをできるようになる、そしてできることはもっとできるようになるという意味で賢くなれるようにしたい。そして、そのためにデジタルノートを活用したい。
本などの他人の考えをもとにすることで、自分だけでは辿り着けなかったであろう賢さに辿り着きたい。
といったあたりだと思います。もちろんこの表現自体もまだまだ荒削りなのですが、連載を書き始めた当初の文章を読むことで、改めて自分の書きたいことを確認できたのが今月の収穫です。
以上が本を書くと宣言して最初の1ヶ月でやったことです。正直、本を書くための時間をあまり取れていませんが、最終的には本として書き上げることができるだろうという気持ちはあります。まず本の形にしてみるという終わりに一番近い部分を試してみたところが大きかったです。「仮でもいいからゴールの形をイメージする」ことも今回の1ヶ月で得られた収穫です。