以下の3つの「重要な原則」2つ目からのお話です。
1枚のカード(1つのノート、1ページ)に1つのことを書く
自分の言葉で書く
他のカードにリンクする
自分の言葉で書く
1枚のカードに1つのことを「書く」上で大事なことは、ノートの中身を「自分の言葉で書く」ことです。
今の時代に合わせて最も率直でシンプルにいうならば「コピペ禁止」という言い方をするといいのかもしれません。「コピペではダメ」な最も大きな理由は「コピペはわかったつもりになるだけ」だから。
自分の言葉で書くというのは、自分に向けた小テストのようなものです1。「わかっているつもり」のことは、人から何か質問された時に答えることができません。
この「わかっているつもりかどうか」を確認する手段として優れている方法が「コピペせず自分の言葉で書くこと」
そうやって「わかっているつもりの内容」は、自分で書くことそれ自体がわかるようになるまでの過程を踏む「勉強」そのものでもあります。
書いていることでわからないことが見えるようになり、書きながら考えてわかるようになる。
自分で書くというのは、イメージとしては「人に勉強を教える」というのを一人で実践するようなもの。
この「自分の言葉で書く」という方法はZettelkasten(ツェッテルカステン)に限らず、あらゆるノート術に応用できる、大変重要な内容です。
ノート同士をリンクする
そして、1枚のカードに1つのことを、自分の言葉で書く事ができるようになったら、残るは「関連するカードにリンクする」こと。
これも「1枚のカードに1つのことを書く」ことと同じく、答えのない難しい問題です。
やるべきことは、今書いているカードと関連しそうなノートを見つけて、そのノートへリンクすること。
(リンクが便利に使えるデジタルノートツールはたくさんありますが、ごりゅごは現在Obsidianを使っています)
これもまた「リンクする行為自体に意味がある」もので、自分で関連するノートを「脳内検索」することで脳内のネットワークを強化して、知識や理解を「深める」ことができるようにする方法です。
ノートに書かれている内容の、どういうところが似ていると感じてそのノートをリンクしようと思ったのか。そのノートをきっかけにして、自分はどういうことを連想したのか。
「2つのものを繋げる」ことは、アイデアを生み出す(新しい組み合わせを見つける)行為そのもの。ノートの組み合わせを考えるのは、アイデアを生み出す練習でもあるし、アイデアを生み出す行為でもあると言えます。
このようにアイデアを繋げることができるのも、ノートに1つのことしか書かれていないからできること。
そういう意味いうと、「3つの重要なこと」と表現していますが、やはりまず一番大事な事は「1枚のカードに1つのことを書くこと」です。
自分の言葉で1つのことが書かれたカードをリンクして整理する
この辺りがZettelkasten(ツェッテルカステン)のごくごく基本的なルールです。
ただ、これだけだとまだまだどれも説明が抽象的で、具体的になにをしたらいいのかよくわからない人が多いかもしれません。
そもそも、ニクラス・ルーマンのZettelkasten(ツェッテルカステン)は、ニクラス・ルーマンが自分の考えを整理して、本や論文を書くための手法(を他の人が整理して方法論にしたもの)です。
ここに書かれていることはあくまでも「本や論文を書くための手法」を言語化しただけのもので、誰が使っても便利なノートの取り方、というわけでもありません。
とは言え、ルーマンの目的は「執筆」ですが、Zettelkastenの概念、方法論というものは、デジタル情報の整理や、新しいことを学ぶ「勉強ノート」など色々なことに応用が可能です。
最近よく言われる「PKM」というものも、大雑把に言えばこういう方法論を「自分の考えてることの整理に使おう」というようなところから盛り上がってきたものです。
PKM(Personal Knowledge Management)というのは、ピッタリとハマる適切な日本語訳が意外に見つからず、なかなか一言で説明するのが難しいのですが、あえて誤解を恐れずいうならば「第二の脳」という概念の「バージョン2」だとか「進化系」みたいなもの。
とは言え、このあたりの分野はまだまだ「新しい」分野で、考える余地もたくさんあり、これからもこのナレッジスタックで考えていこうと思っています。
しばらくはごりゅごも「書きながら考える」の精神で、これらのことについて掘り下げていこうと考えています。
もっと色々書け、と思っていただけるようでしたら、是非ともこの記事に「ハート」をつけたり、シェアしたりなどよろしくお願いいたします。