1月30日に、iPad Workersメンバー向けにObsidian講座を開催させていただきました。話した内容は主に「ごりゅごのObsidianの使い方、お勉強編」といった内容のもの。
細かい内容のまとめなどははるなさんがiPad Workersのニュースレターでまとめてくれる予定なので、今回は改めて自分のObsidianの使い方を考え直す中で気がついた「ノートに1つだけの事を書くことのメリット」として1つよい事例があったので、そのことを紹介したいと思います。
読書メモをアトミックな内容に分割してまとめる
今回話したのは、Obsidianを使った「独学」がメインテーマでした。ごりゅごが独学をするに当たっての情報ソースは、95%が本で、残り5%くらいがインターネットというイメージです。
で、ここから得られた情報をObsidianでどのように整理するのか。学んだ事を自分の知識にする過程で、どういうことを意識しているのかだとか、どういうことをやっているのか、どういうツール(プラグイン)を使っているのか、ということを主に話しました。
そういう流れなので、必然的に独学というものは「読書メモ」をベースに進めます。具体的には「自分の言葉で書いた読書メモ」を「アトミックなノートに分割する」というのが主な「独学」の手段。そして、このことについて改めて考えてみたところ、アトミックにする事で、本の内容を多角的に整理する事ができるというのがObsidianのメリットである、ということを実感しました。
アトミックなノートは多角的に整理できる
たとえば以下のノートは、ごりゅごが読んだ『別冊NHK100分de名著 読書の学校 西研 特別授業『ソクラテスの弁明』』という本の読書メモノートです。
上記画像は読書メモがある程度アトミックに整理されて、タイトルを付けて「アトミックに分解した」状態になっています。
この本はいわゆる「ソクラテスの弁明の解説本」なんですが、哲学全般の事や別の哲学者のエピソードなども出てきます。特にごりゅごの読書メモでは、ソクラテスに関するノートはごく一部のものだけです。
ここまではいわゆる「読書メモを作る」という内容で紹介してきたものですが、ここにナレッジスタックで紹介したもう一つの技「トピックノート」というものを組み合わせます。
ごりゅごは哲学について理解するために「📋哲学とはどういうものか」というノートも作っています。これは、いろいろな本の中で書かれていた哲学はどういうものか、というノートばかりを集めたノート。
ノートをアトミックなものに分解すると、1冊の本の中から「📋哲学とはどういうものか」ということに関連するノートだけを簡単に「📋哲学とはどういうものか」の中にまとめることができるようになります。
同じように、ソクラテスについて書かれたノートだけを「ソクラテス」というノートからリンクで繋げる事もできるようになります。
これ!これなんです!ノートをアトミックにするとなにがいいのかというのは、こうやって一つの本に書いてあった事を、自分の中の既知の知識と結びつけて、位置づける。こうやって1冊の本の内容をいろいろなテーマと絡めてあげる事で、情報を多角的な視点からまとめて、自分自身の知識として整理できる。
多くの人は脳内でこれを「なんとなく」「無意識で」できているかもしれません。学ぶ、知識を獲得するにあたってこのような関連付けというのはきわめて当たり前な行為なんですが、これをObsidianという「第2の脳」のなかで視覚的に整理することに意味があるのです。
人間の短期記憶は限られています。この記憶能力は「視覚の力」を組み合わせてあげれば何倍、何十倍にも大きなものになります。頭の中でなんとなく整理するのではなく、文字として、文章として自分の知識を明確をほかの物事と関連させて、視覚的に位置づける。
データ、情報、知識の違いを視覚的にまとめたgapingvoidによる図解は非常に有名ですが、ノートをアトミックに分解して、リンクで繋いであげるという行為はまさにこの情報を知識にする過程そのもの。
そして、こういう「リンクでまとめたノートを作る」ということに関しては、私が知る限りではどんなツールよりもObsidianは便利です。(サイドバーや検索結果のノートをドラッグ&ドロップでリンクが作れるなど、あらゆる機能が「リンクを作る」ことを助けてくれる)
このような「インデックスを作って知識を整理する」ということに興味があるのであれば、現状は圧倒的にObsidianが便利、ということをお伝えしたいと思います。
今回の内容は、ものすごく「当たり前」っぽい大した事なさそうなことに感じられた方がいれば、それはきっと「Obsidianを使ってものごとを理解する事とすごく相性が良い」ことの証です。
こういう「1つのことにするとほかでも使える」というのはもちろん本の内容には限らないんですが、本の内容をアトミックにする、というのが「練習」としては一番手ごろな方法です。
iPad Workers記事の中で、2月にまたObsidian講座をやれということを言われたので、次回(2月27日21時〜)は「読書メモを作る」というのをテーマに、ごりゅごが実際にどうやって読書メモをアトミックにしていたのか、というのを紹介しようと思います。
実際の読書メモからどういう感じのノートを作るのか。読書メモのビフォーアフターだとか、どういう事を考えてまとめているかなど、実例を紹介しながら、できる限りリアルな情報をお伝えしたいと思います。