先月に引き続き、iPad Workersメンバー向けに🎥Obsidianノート講座を開催させていただきました。
こういう感じのやつは、そのうちナレッジスタックの中だけで単独で完結できるようにしたいなあ、ということを考えているんですが、しばらくはいろいろ試行錯誤してみようと思います。
さて、Obsidian講座で話した内容について今すぐ振り返るには時間が足りないので、今週は「なぜ学ぶのか」「学ぶモチベーションをどうするのか」というような、去年1年間ごりゅごがずっと考え続けてきたことを、改めて整理してまとめてみようと思います。
「貯金で逃げ切る」ことは不可能なくらい人生が長くなった
『LIFE SHIFT2』にわかりやすくまとめられていた話ですが、現在人間の寿命はかつてないほど長くなり、同時に人間が働く期間はかつてないほど長いものになってきています。
これまでの日本では、大ざっぱに20歳から60歳まで仕事をして、あとは年金で老後を過ごす、というライフステージの移り変わりが当たり前のものでした。ですが現在、私を含めほとんどの人は「(肉体的にも経済的にもあらゆる意味で)65歳で引退するなんてありえない」と考えているでしょう。
このこと自体は個人的に歓迎できることですが、いくつか考えないといけないことがあります。まず、単純に働く期間が長くなれば、世の中の変化もその分だけ大きくなるということ。そして現在は変化が加速している時代。となると、若い頃から仕事を引退するまでの世の中の変化がかつてないレベルの違いになることはほとんど間違いありません。
知識というのは放っておいたら少しずつ忘れてしまうものですが、今の時代はそれだけではなく「自分の知識が古すぎて役に立たない知識ばかりになる」可能性も非常に高いのです。
30年前までならば「若い頃に学んだ知識」を使って引退まで逃げ切る、なんて戦略も有効?だったかもしれませんが、現代ではその戦略は経済的な観点からも、これからの価値観としても、よいものとは思えません。
そんな時代で生き残るには、単純に「学ぶ」しかない。では、その学ぶ時間をどうするか、というと「働く時間を減らして学ぼう」というのがLIFE SHIFT2での提案です。
「40年超忙しい」→「引退して10年が暇すぎる」という現代の極端な生き方をやめて、今現在の働く時間や日数を調整する。そして「超忙しい時期」をマイルドにした分を、人生の後ろの方まで持ってくる。こうやって余裕ができた時間の一部をより長い期間通用する能力を手に入れることにも費やしてあげる。
このような「生き方のシフト」は、一度考えてみる価値はあるでしょう。
ほんのわずかな期間で驚くほど多くのことができるようになっていた
ここからは個人的な話ですが、2020年に40歳の誕生日を迎えた頃、「40歳という年齢」と絡めて今後の人生や生き方など、いろいろなことを考えていました。
40歳という年齢は(大ざっぱに)学ぶことが終って働くようになって20年経過した年齢。学んでいた期間を働く期間が追い越すようになった、一つの区切りとなる年齢で、平均寿命を80歳だと考えると、ちょうど半分がすぎた年齢だと考えられます。
「まだ40年生きられる」というのは自分にとってポジティブな感想だったんですが、よく考えたら「この20年間ほとんどまともに勉強をしていない」ということに気がついてしまいました。
自分の今の知識は、ほとんどが小学校から大学(中退)までの15年程度で学んだだけのもの。さらに「高等教育」と呼ばれるようなものでいえば、本当にわずか数年経験しただけのもの。これも決して悪い意味ではなく、ごりゅごのポジティブな思考では「若い頃はたった数年でこんなにたくさんのことを理解して記憶することができたんだな」という考えに至ります。
確かに今考えてみると、若い頃のわずかな期間の勉強のおかげで、十分に高度なことが無数にできるようになっています。
英語で1から100までを詰まらずに数えられる1し、1000個以上の漢字の読み書きもできる。ベクトル、微分積分、虚数なんていう人間の直感を離れた非現実的な概念も理解して、計算することだってできるし、世の中のあらゆる物質が「分子」でできてることだって知っている。
もちろん今でもわからないことは無数にあるんだけど、これらのことはほとんどわずか数年間で"簡単に"習得できたものばかり。
テクノロジーを併用すれば学習効率はケタ違い
そんなことを思って2021年はいろんなことを「学ぶ」ことを始めているのですが、去年は「学ぶためのテクノロジーの進化」に驚いてばかりの年でした。
たとえば「記憶」に関してはAnkiというツールがあれば、暗記カードよりはるかに簡単に記憶ができるので、加齢による記憶力の衰えなんて簡単に乗り越えられます。
例:Ankiを使った英語学習が紙より20倍以上効率がいいので是非試してみて欲しい – ごりゅご.com
また「学習法」自体も効果が高い方法がいくつも研究されており、本やインターネットを使ってそれらの情報に簡単にアクセスできます。(『Learn Better』は何度でもオススメします)
すこし勉強してみてわかったのは、まずは勉強の仕方を少し学んで、効果が高い勉強法を上手に組み合わせてあげれば、20年前には絶対できなかったような、当時の何倍も効率がいい方法であらゆることを習得できるということでした。
たとえば最近は、数学を学ぶときにも「アプリと併用して学ぶ」だとか、Excelを使って直感的に数学を理解する方法、なんてものを教えてもらい「コンピューターを使って手を動かして学ぶ」ことの偉大さを味わっています。これも、「紙とペン、せいぜい電卓」だった自分が経験した世界とは大違い。
ごりゅごが把握している学習法というものはまだまだごく限られたものだけですが、これだけ知っただけでも「あらゆる分野に圧倒的にすごい勉強方法はたくさんある」だろうということに疑いの余地はありません。
大人は好きなことを好きなように学べる
ではこういうすごいツールを使っていったい何を学ぶべきなのか。
答えは簡単で、「好きなことを学べばいい」のです。
→役に立つことを学ぶのではなく好きなことを増やす努力をする - by goryugo - ナレッジスタック
大人の勉強は、学生時代の勉強とは違います。いつまでに、なにを学べばいいのかというのは誰にも決められませんが、なにを学べばいいかは誰も教えてくれません。なにを学べばいいのか、というところから「学ぶこと」は始まります。また、期限を設けた「テスト」という名の最大の学習機会も存在しないので、学んだことが理解できているかどうかすらも自発的に確認することが必要です。
とはいえ、自分が興味が出たことならなにを学んでも構わないというのは、こんな楽しいことはありません。つまんなくなったらやめればいいというのは、学校の勉強ではありえないことですが、自分で学ぶのであれば自由です。
なんの役にも立たないことなんてものは「絶対に存在しない」です。
なによりも「勉強」という言葉で堅苦しく捉えず、好きなことに、本気で取り組めたのなら、間違いなくすべて「勉強」です。(本気、というのが重要)
2022年が始まってすでに1ヶ月経ちました。だいたいこのくらいの時期がまず最初に「今年最初のやる気」を忘れやすい時期です。別に、勉強するのにやる気なんていらなくて、楽しいことを本気でやってればいいんです。でも、楽しいことが見つからないのは辛い。
楽しいことが見つからないならどうしたらいいのかなって考えてみたら、まず思いついたのは、人のために時間を使うことでした。誰かの役に立つことをしながら、役に立つために自分が続けられることを見つけるというのは、誰もが幸せになれる素晴らしい方法ではないかと考えます。
非英語圏に行くと、100までの数字を聴き取ったり話したりするだけで苦労する&それができるだけで買い物などがすごく便利になる。英語で100までの数字を話せるだけでも「自分はすごく英語ができる」ということがわかった。 ↩︎