ごりゅごのパートナーである、はるなさんが『書いて考える技術』という新しい本を作りました。
元々、ナレッジスタックで書いて考える技術という形式で連載していたものを、大幅に加筆修正して1冊の書籍として(縦書きで)整理してまとめたもの。
「構想5年の巨大プロジェクト」である本書について、ちょっとごりゅご目線で本を紹介してみたいと思います。
「目隠し将棋」は難し過ぎる
頭の中だけで何かを考えようとして、結局同じところを堂々巡り……。そんな経験はありませんか?
『アトミック・シンキング』の中でごりゅごは「目隠し将棋は難しい」というたとえ話を使って「頭の中だけで思考を進めることの困難さ」について解説しました。
「思考のプロ」のような人になれば、プロが目隠し将棋を指すかのように頭の中だけでも(ある程度)思考を進めることはできるかもしれませんが、それでもそこに制限があることは事実。
とは言え「書いて考える」という説明をされても、真っ白の紙を眼前に置いてみると、逆に何から書けばいいのか分からなくなってしまう。
「文章術」ではなく「思考法」を身に付ける
『アトミック・シンキング』では、そのことに対して基本的に「文章を書いて向かい合う」ことを考えてきました。
が、文章の形式でなにかを考えるというのは、それが得意な人がいれば、不得意な人もいる。
はるなさんもどちらかと言うと「文章で考えるのは不得意」な派閥。
じゃあそんな人は「書いて考える」ことはできないのか。といえば、もちろんそんなことはありません。
文章で考えるというアプローチを身に付けること自体は、決して損をしない素晴らしいスキルだと思いますが、別に「それ以外の方法」を使ったっていいわけです。
そして、そんなはるなさんの特性を踏まえて辿り着いた答えがこの『書いて考える技術』という本です。
このストレートなタイトルに、彼女が伝えたかったことのすべてが詰まっています。
まずお伝えしたいのは、これは美しい文章を書くための「文章術」の本ではありません。
これは、文章を書くよりもずっと手前の段階、つまり、頭の中でごちゃごちゃになった思考の断片を整理し、構造を見つけ出し、進むべき道筋を発見するための「思考のナビゲーション方法」を整理した一冊です。
ごりゅごが普段、テキスト(タイピング)を使って行っている思考の整理法と考え方の根っこは同じですが、彼女のアプローチはもっとストレートで直感的。ごく簡単な「ビジュアル化」の技術を使って、誰でも思考を前に進められるように工夫がされています。
「絵が苦手」な人にこそ、届けたい
ただ、ビジュアル化、という言い方をすると、必ずしり込みするひとが出てくるんですよ。「ビジュアル」という言葉を聞くと、つい「自分は絵が苦手だから…」と反応してしまう。
ただ、この本はいい意味で「図解」の本ではありません。基本的に使うのは、ただの「線」と「矢印」だけ。「四角」や「丸」くらいならあってもいいけど、それ以上の「ビジュアル」は使いません。
「囲む」「線を引く」といった誰にでもできる単純な行為だけでも、驚くほど思考をクリアにしてくれるのです。むしろこれは、絵が苦手だと感じている人ほど効果が大きいはず。
あなたのiPadが、最高の「思考ツール」に変わる
今回この本は、(期間限定で)あえてPDF/EPUBというファイル形式で、直接ダウンロード販売するという形式を採用しています。
それは、この本が単に「読む」ためのものではなく、あなたが「書き込み、実践する」ことで初めて完成するように設計されているからです。
もしあなたがiPadとApple Pencilをお持ちなら、ぜひこのPDFを開いてみてください。
読みながら、気になった言葉を囲み、余白に自分の考えを書きなぐっていく。最高の「書いて考える読書」の体験が味わえます。
またこれはiPadがただの動画視聴マシーンと化してしまっている悩みを解決してくれる「救いの書」にもなりえるでしょう。iPadとApple Pencilを使ってこの本を読むだけでも「iPadを有意義に使ってる感」を堪能できます。
実際にApple Pencilを使って書いた、という体験がこの1回「だけ」だったとしても、こうした体験は必ず次につながります。
一度でもこうした体験が出来れば、なにかの機会に「iPad x Apple Pencilが使えるかも」ということを思い出しやすくなるのです。
また、Kindleとは違い、PDF、EPUBという形式でのデータ保存ができるということの価値。そのスピード感、自由度の高さ。こうした素晴らしさは、ローカルでファイルを管理するObsidianをお使いの方々であれば、強く共感していただけるでしょう。
著者より
こんにちは、はるなです。この度、『書いて考える技術』という本を出版いたしました。この場をお借りして、この本に込めた想いを少しだけお話させてください。
書くことに、何度も助けられてきた
私自身は、昔から「書くこと」で自分の考えを整理し、これまで何度も助けられてきました。
頭の中が混乱してしまった時、ただ紙に書き出すだけで、不思議と心が落ち着き、進むべき道が見えてくる。そのシンプルですが強力な体験を、かつての私と同じように悩んでいる誰かに届けたいと思ったのが、この本のはじまりです。
5年間の停滞を破った「1枚のメモ」
実は、「書いて考える」というテーマで本を作りたいという想いは、5年以上も前からありました。ですが、あまりにテーマが自分の中で大きすぎて、どこから手をつければいいのか分からず、ずっと形にできずにいました。
そんな長い停滞を打ち破ってくれたのが、ある日、何気なく書き出した「1枚の手書きのメモ」でした。そのメモの上で、バラバラだった思考がスルスルと線で結ばれていく感覚があったのです。
その瞬間に、「これなら、伝えられるかもしれない」と確信しました。本書には、あのメモから生まれた思考の「核」が、そのまま詰め込まれています。
まずは、一本の線を引くことから
この本で紹介しているのは、小難しい理論ではありません。立派な絵を描く必要もありません。
ただ、自分の思考に「四角」や「矢印」といった“しるし”をつけて、目で見てわかるように整理してあげる。たったそれだけです。
もしあなたが、何か考えたいことがあるけれど一歩を踏み出せないでいるなら、ぜひ、ペンを手に取ってみてください。そして、キーワードをくるっと丸で囲んでみてください。その一本の線が、きっとあなたの思考を前に進める、力強いきっかけになってくれるはずです。
この一冊を手に取っていただくことで、皆さんが「書くこと」を通じ、これまで気づかなかった自分自身の「考える力」に出会っていただけたら、著者としてこれ以上の喜びはありません。
▼『書いて考える技術』はこちらからご購入いただけます(PDF、EPUB形式での販売は、ニュースレター購読者向けの期間限定販売です。一定期間経過後、Kindleでの販売に変更いたします)





