💎 生成AIを使って「思考」を深める方法

生成AIと一緒に考えるために必要な視点とは

👋 こんにちは、はるなです。

普段は✉️ iPad WorkersというiPad特化型のニュースレターを配信しています。五藤隆介（ごりゅご）さんの妻です。

今日のテーマは「生成AIと一緒に考えるために必要な視点」についてです。

前回、「生成AIと考える技術」とは、自分の思考を言葉にし、それをAIと往復させて磨いていく行為であるとまとめました。

AIと対話しながら、自分の考えを深め、形にしていくための視点や方法を掘り下げていこうという試みです。

🧠💡生成AIと考える技術とは？

そして、生成AIと一緒に考えるための第一歩は「問いを立てること」から始まります。

🤖AIとの対話は「問い」から始まる

設定によっては最初が生成AI側からスタートすることもありますが、基本的に私たちユーザーの「問い」からやり取りは始まります。

生成AIを使うとき、私たちは「プロンプト」という形で指示や質問を入力しますが、その入力はただの命令文ではありません。むしろ、それは「自分自身に向けた問いかけ」です。

この視点を持てるかどうかによって、生成AIとの関係は大きく変わると思います。

「AIにどう答えてほしいのか？」を考えるとき、自然と「自分は何を知りたいのか？」「なぜ今それを必要としているのか？」を掘り下げることになります。つまり、AIに質問を投げかける瞬間、すでに自分の思考を整理し始めているわけです。だからこそ、問いを立てること自体がすでに“考える行為” になっているとも言えるんです。

「ChatGPTが賢くなる魔法のプロンプト」のようなフレーズがとりはやされることもありますが、ただ単にどこかにあるプロンプトをコピペして使うだけでは、自分自身の思考を整理する作業が含まれません。これでは、あまり意味がないのです。

生成AIは、私たちが投げかけた言葉の中に潜んでいる思考の方向性を映し返してくれる存在です。だからこそ、生成AIをうまく使えば、そのまま自分への問いを深める行為につなげられます。

🪞AIは思考の曖昧さを映す鏡

生成AIは鏡のような存在です。こちらの問いがぼんやりしていれば、返ってくる答えもまたぼんやりします。

たとえば、「ニュースレターのタイトルを考えて」とだけAIに頼んだとしても、返ってくるのは当たり障りのない、どこかで聞いたようなフレーズばかりです。ところが、「なぜそのタイトルが必要なのか？」「読者にどういう印象を与えたいのか？」という内容を足すと、答えの質は驚くほど変わります。

この違いは、AIの性能の差ではなく、問いの解像度の差です。AIは、こちらが与えた問いの解像度に応じて答えを変える鏡です。つまり、入力が曖昧なら、思考の曖昧さをそのまま返してきます。逆に、自分の思考が整理されていれば、そのクリアさを反映した答えが返ってくるのです。

問いの解像度を上げるために必要なことは、自分の考えをどう言葉に落とし込むかという言語化の技術です。AIを相手にすることで、自分が抱えているぼんやりとした考えや不安、欲求などの“言語化を迫られる”のです。

生成AIによる出力がイマイチと言っている人の多くは、このことに気づいておらず、自分の考えをきちんと言語化できていないわけです。

生成AIは魔法のように答えを生み出すわけではありません。むしろ、こちらが示す思考の枠組みに沿って丁寧に返してくれる存在です。だからこそ、問いを磨くことが、AIと一緒に考える上で重要な鍵になります。

問いを磨いて、問いの解像度を上げることが重要ですが、これは、プロンプトの工夫で補える部分もあります。たとえば、「足りない情報があれば質問してほしい」と伝えると、AIが能動的に補足を求めてくれます。こうしたやりとりを積み重ねると、自分の考えも自然と整理されていきます。

✨問いから見える、自分の思考のかたち

生成AIを通じて見えてくるのは、答えの正しさではなく、自分の思考の輪郭です。問いを立て、入力し、答えを受け取り、さらに問いを立てていく、このやり取りを重ねる中で、思考の癖や大切にしたい価値観が自然と浮かび上がってきます。

生成AIを使うことは、単なる効率化だけの話ではありません。それは、自分に問い続ける練習であり、自分自身と対話する時間でもあるのです。

言葉にして投げかけることで、自分が気づいていなかった違和感やモヤモヤの正体が見えてくるのです。

「問いを立てる→答えを受け取る→また問い直す」このサイクルのなかで、自分の思考の癖や価値観が浮かび上がってきます。今まではこの答えの部分も自分自身で考えるしかありませんでしたが、今は生成AIがある程度担ってくれます。

問いの本質は「正解」を出力するためのものではなく、考える余白を生み出せるかどうかです。その問いをきっかけに、自分自身の視点や前提に気づき、新しい発見に出会える問いこそが「良い問い」と言えるのです。

重要なことは、「自分が欲しいものが何か明確になっているか」と「自分が欲しいものを正しく言語化できているか」の2点です。

まず第一に自分が欲しいものがなんなのかを明確にしなければいけません。ですが「自分が欲しいもの」は不明瞭なことがほとんどです。「自分が欲しいもの」はAIに聞いても全く答えられません。自分のことは自分に聞くしかないんです。

つまり生成AIは「答えを教えてくれる存在」ではなく、問いを通して自分自身を映し出す鏡です。

結局のところ自分自身と対話ができなければ、いくらAIを使っても活用できないということになるわけです。 生成AIとのやり取りを通じて「自分が何を大事にしたいのか」を明確に言語化することが、生成AIと一緒に考えるという行為の第一歩です。

ということで今日は「生成AIは、問いを通して自分自身を映し出す鏡であるという視点を持とう」というお話でした。