以下の記事(約1年前)にも書いてますが、ごりゅごはこの10年ちょっとくらい、主に「ブログを書くことで」生きてきていました。
💭価値観をアップデートするために勉強する - by goryugo - ナレッジスタック
このニュースレターは、基本的に広告などを一切掲載することなく1ほぼほぼ「趣味」的なものとして、そして「将来への投資」としてずっと無料で継続してきました。
これまで、ブログには無料で誰でも見られる記事を書き、それを「マネタイズ」することが主な収益化の手段でした。ブログにGoogleアドセンスの広告を貼って、Amazonの商品へのリンクを貼って「広告料」をもらう。そんな方法で、2010年ごろからそれだけで生きていくことができるくらいの収益が得られていました。
ただ、最近この「マネタイズ」という方法論と、マネタイズを前提としたブログの運営というのが自分の価値観とちょっと合わなくなってきているな、と感じています。
このやり方を死ぬまで継続できるとは思えなくなってきているし、自分でも「ブログをマネタイズして生きていく」という方法を死ぬまで続けたいとあんまり思えない。そして、自分があんまりいいと思えないような方法論にしがみついて生きていくのはあんまり楽しくありません。
「マネタイズ」には多くの制約があります。
たとえば、Googleアドセンスを使うと「Googleが正しくないと考える内容」の記事を書くことは出来ません。また、書いた記事のカテゴリによって「広告単価」が大きく変わります。Googleのレポートによって「どの記事が稼げるのか」もわりと簡単にわかります。
そもそもGoogleアドセンスは「ウェブに好きなことを書いてお金が得られる」ことが強みでしたが、どういうことを書いたらお金が稼げるのかがわかれば、お金が稼げる記事を増やしたくなってしまうのが人情です。どれだけそれを気にしないようにしようと、人間である限り影響をゼロにすることは不可能です。
もう一つのごりゅごの「マネタイズ」の柱であるAmazonのアソシエイト。これは、自分のブログでAmazonの商品を紹介し、Amazonで商品が売れると、売上に応じた報酬がもらえる、という仕組みです。
このとき、Amazonで商品を買ってもらおうとする場合には「コツ」があります。それは「セール商品」を紹介すること。1番簡単に売上が上がるのは、「この製品のどこがいいのか」を伝えることではなく「これが今安いぞ」というお得な情報を多くの人に伝えることです。その方がはるかに「儲かる」んです。
こうした情報は、すでにほとんどのブロガーは知っているので、ブログには必然的に「今これが安いです!お得です」という記事が溢れかえることになります。2今や、Amazonのセールの攻略の記事はそれこそもう有り余るほどに世の中にあふれ返り、プライムデーなんてものが開催されればそこら中が「祭り」状態です。
「アフィリエイト」で生計を立てておよそ20年。「ブログ」で生きていくようになって10年ちょっと。何年も色々な「テクニック」を使って生きてきて、こういうことは完全に「当たり前」になっていました。
ただ、どうもなんだか最近は「違うぞ」と感じることが増えています。
自分が20年前のインターネットに感じた「夢と希望」の一部は確かに実現した。実際に自分のような一個人が、運良く時代の流れに乗ることができて、それで20年間生きてくることができたというのは素直に幸福だったと思う。
だが、このまま「マネタイズ」で生きていては「夢と希望のインターネットの世界」をよくしていくことができるようには思えない。
ブログをマネタイズしようとする限りは、どれだけ頑張っても自分が書く記事は「読者ではなく広告」を優先してしまいます。どれだけ立派な志を持っていたとしても、広告を掲載している限りそこからの影響をゼロにすることは出来ないし、広告を掲載している限りはそう判断されても文句が言えない。
そうならないためにも「マネタイズ」とは違う、もっと地に足がついたと感じられる生き方をしたいし、そうしないとこれから先は生きていけないとも思う。
ナレッジスタックを始めることからずっとそういうことを考えていましたが、今ようやくこうやってまとめて言語化ができるようになりました。
いかにして価値あるものを提供するか
2年くらいそうやって「マネタイズからの脱却」を考えてきて、ようやく一つの形にできたのが『アトミック・シンキング』でした。
この本は、100%読者の方向を向いて書いたものであり、最善を尽くして「価値ある」ものを提供できたという自負があります。最善を尽くしたという満足感と幸福感は、おそらく今までと同じことをやっていては得られなかったであろう貴重な体験でもありました。
また、この体験のおかげで「これだな」という確信も得ることができました。
なにかを「マネタイズ」して、第三者を経由してお金を稼ぐのではなく、価値あるものを提供して、直接的に対価を受け取る。これが結局長い目で見て一番安定的な生き方だろうし、その生き方がもっとも「誠実で幸福に生きられる方法」なのだと感じます。
ただ、このまま「本を書く」だけでは「健康で文化的な最低限度の生活」を営むことは困難。
という流れの中で、当初から考えていた「ナレッジスタックの有料化」を、2022年9月より始めようと計画しています。基本的に、今まで提供していた(基本週1回の)ナレッジスタックのニュースレターは無料のまま続ける予定です。そして、有料サービスに加入してくれた人には、そこに別の「価値」を提供するという形態です。
今のところ、有料プランに加入していただいた方には、以下のようなものをお届けしようと考えています。
次の本の原稿の(半)リアルタイムの購読
まず一つは、これから書いていこうと考えている次の本「アトミック・独学術(仮)」の原稿を、半分リアルタイムに公開していくこと。
今この本は、まずどういうことを書きたいかという状態です。ここから、目次案を考えて、下書き原稿を作って、それを何度か修正しながら完成させていく。その作成の過程と、そこで生まれた原稿や目次案を、週に1回くらいの頻度でお届けしていきます。
具体的には、前回の『アトミック・シンキング』でも採用した「下書き執筆法」改め「30点執筆法」で書いていく予定です。
その執筆方法の紹介や、どうやって本を書いていくのか考えることも含め、いただいた意見や感想を取り入れたりしながら、本が出来上がっていく過程をご覧いただけると思います。(少なくとも『アトミック・シンキング』は書けたので、この方法で成果を出せると信じています。また、他にも書きたいテーマは複数あるので、最低数冊分はこれを続けられる予定です)
デジタルツールの細かな使い方
こうやって、本を書いていく過程では、いろいろなツールを使ったり、ちょっとしたテクニックを活用することも多々あるはずです。そういったツールの活用例や、テクニックなども、原稿などを公開しながら同時にお届けしていきます。
お送りしたニュースレターに、質問やリクエストをいただければ、もちろんそれを書いていくことも可能です。
「全公開」前提の記事は、万人にわかるようにある程度「詳しく」説明を書かないといけなかったり、うっかり見せてしまうと困るようなパーソナルな情報を間違えて載せていないか確認したりなど、手間暇がかかるが故に公開できていないものがたくさんあります。
クローズドな場所であれば、そのあたりを文脈を踏まえてもらっている前提で書いていくことができるので、(懇切丁寧な説明はできませんが)より多くのことを細かな頻度で紹介できるはずです。
例えば最近、ObsidianもLogseqもGithubを使って同期する、というのを試しています。
こういうやつは、Twitterにつぶやくだけでは情報が流れていってしまうけど、記事として「きちんとまとめる」のは労力的に困難。
そのあたりのことを、ある程度わかっている人に向けて、途中経過など含めて報告していく。
もし他に試してみたよ、とかこういう方法があるよ、とかっていう事があれば、コメント欄やスレッド機能なども使っていけるだろうし、ここをもうちょっと詳しく知りたい、と思ってもらえれば、ちょっと補足をすることもできる。
そんな場所としても有料会員向けの「クローズドな場所」は相性が良いのでは、と考えています。
堂々と質問する権利
また、こういうことをする上で自分が結構重要だと考えているのが「気楽にコメントや質問ができること」です。
世の中にはいろんなタイプの人がいると思いますが、自分の場合「気になる人」がいても、その人にうまく話しかけることが得意ではありません。なんか、Twitterとかで「返信しづらい」みたいに思われたら嫌だなー、みたいなことを割と気にしてしまいます。
そういう対策としての「有料プラン」なのです。
自分は毎月お金払って支援してるわけだから、ちゃんと質問する「権利」がある。そう思って質問してもらえることは、質問する人にもメリットがあるし、ほとんどの場合質問される側にとってもメリットがあることです。
たとえば本の原稿で「わからないこと」を聞いてもらえれば、それは「わかりにくい」部分なので修正したほうがいいのだとわかる。
サラッと説明した「ObsidianやLogseqをGithubを使って同期する方法」の設定でつまずいたことを質問してもらえれば、他の「質問できない人」が助かるかもしれない。
こういうことをする「権利」があるんだぞ、と思ってもらえることで気楽な質問が生まれ、結果的に議論が活発になるのであればそんな素晴らしいことはありません。
また、そういったやりとりを通じて「顔は知らないけれども親密に感じられる」という距離感で付き合える人が増えること。これは自分が目指す「夢と希望のインターネットの世界」にとって重要な存在だろうという予感もしています。
月に1回のオンラインセミナーと質疑応答(アーカイブ付き)
あとは、おそらく一番「価値」を感じてもらいやすいであろうアイデアが、月に1回のオンラインでのセミナー。
2022年の初頭に、2回くらいObsidianの講座を開催したんですが、思っていたよりもはるかに多くの人に参加いただき、終わってからの質疑応答もすごく盛り上がりました。
セミナーで話すことをまとめるは、当然それなりに手間暇かかって大変なんですが、ここから得られるものはすごく大きいし、「書く」だけじゃなくて「しゃべる」ことも好きなのだと改めて実感でき、非常に楽しく充実した時間が過ごせました。
今後のナレッジスタック・セミナーでは、まずは『アトミック・シンキング』実践編を開催します。本で紹介したようなノートを書くことを、具体的にどんなデジタルツールを使ってどういう風に実践しているのか。本では紹介しきれていない細かなテクニックなども含めて、これを何回かに分けて紹介します。
そのあとは『アトミック・シンキング』からつながる『アトミック・独学術』だったり『アトミック・読書術』だったり『アトミック・タスク管理』だったりの、デジタルツールを使ったナレッジマネジメントなど様々なことを紹介していきます。
大きな流れとして、1時間くらいは「講座」で、そのあとは1時間くらい懇親会的なニュアンスも含めた「質疑応答タイム」を設ける。そんな感じで今は考えています。
「堂々と質問する権利」ともつながる話ですが、リアルタイムに話を聞いたあとだと「質問したいこと」も生まれやすいだろうし、そうやって質問がいただけることは「内容をよりよくする」ためにも大変ありがたいものです。
また、閉じられたオンラインの場では「複数人にコンピュータの画面をすぐに見せられる」というのも大きなメリットです。チャットや音声でもらった質問に、ああ、そういうときはこうやってますよ、ってすぐに画面見せられるので、ある意味リアルの集まりよりも便利です。
将来的に開催日は毎月何番目の何曜日、のように半固定にする予定ですが、まだはっきり決められていません。金、土、日の夜21時〜、というのが今のところの有力候補です。
そのあたりも、有料プランに加入していただいた方ができるだけ多く参加できる日を優先させようと思います。もし当日参加できない場合でも、事前に質問があればそれも受け付けますし、動画のアーカイブはずっと見られるようにする予定です。その内容は、動画だけでなくテキストでもある程度まとめて、数回に分けて配信します。
それはどれだけの価値があるのか
以上が、現在考えている「ナレッジスタック有料プラン」の特典です。今のところこういう感じで考えていますが、特典は時間と共に変化する可能性があります。というかおそらく、変化する確率の方が高いでしょう。
ほぼ確実に継続できるのは「月1セミナー」と、そのアーカイブ動画の配信くらい。もちろん今後、色々な新しいことを試してもいきますが、新しいことはいつ、どうやって、なにを思いつくのかはわかりません。
結局、いろんなことを長く続けようと思うと、真面目に、誠実な態度でできることを確実にやっていくしかありません。「最速」とか「近道」みたいな言葉は、短期的な成果には効果的ですが、長期的な、サスティナブルな成果を求める場合には相性がよいものではありません。
そういう点で、有料化開始直後は至らない点も多々出てくるかもしれません。とはいえ、そういう状況の中で「早い段階」から有料プランに加入して支援してくれる人には、なんらかの形で報いねばならないな、とも思います。
なので、ここはSubstackというシステムの特徴をうまく利用して「早く加入してくれた人ができるだけ得をできる」仕組みを考えました。
このニュースレターを配信しているSubstackは「一度有料プランに加入したら、その後に料金変更があっても古い料金のままずっと継続できる」という特徴があります。
なので、有料プラン開始直後は「サービス開始直後価格」でスタートし、時間経過と共に価格を上げていきます。(2022年09月終了後、最初の価格改定をします)
最初のセミナー(9月23日21時を予定)は、どんなものか確かめてもらうために誰でも見られるようにしようと思いますが、アーカイブ視聴ができるのは有料プランに加入していただいた方のみ。以降は基本的に無料公開はありません。
毎月のセミナーという形式は、比較的「価値を感じやすいのではないか」と思うし、月に1回そういうタイミングがあれば、そのタイミングを生かし、さまざまなものことの継続、習慣化にも役立てられるのではないかと思います。
毎月の「習い事」だと考えれば十分安価だろうし、定期的に開催することを生かして「続けられる工夫」もいろいろと考えていくつもりです。ノートを書いて、頭の中を整理すること。それによって「書くこと」が少し好きになれたり、得意になれたりすようになる。書くことを通じて、日々の生活がちょっとだけでも充実したものになること。その手助けになるような活動が、自分が今提供できる価値なのかな、と考えます。
よろしくお願いいたします。