ノートを少しずつまとめることが大事(🌱ノートは積極的に未完成のままにする - by goryugo - ナレッジスタック)という話が書けたので、次はノートのタイトルがいかに重要なのか、ノートのタイトルをどうやってつけたらいいのか、ということなどをまとめたいと思います。
これは、『TAKE NOTES』の中ではあまり触れられていない印象がありますが、ScrapboxやObsidianなどのデジタルノートを運用する場合には特に重要な考え方です。
適切なタイトルがあるとアトミックにしか書けない
ノートからリンクできるノートを探す場合、現在ほとんどのデジタルノートツールは「該当のタイトル」をキーにしてリンクを作ります。
適切なタイトルがつけられたノートは(自分の記憶とつながりやすいので)、ほとんどの場合はタイトルをキーにして簡単に目的のノートを見つけられます。
これが1つの大きな「タイトルをきちんと感がする理由」ですが、実はこれ以外にもタイトルが重要な理由があります。
それは、タイトルをきちんと考えると、1枚のノートに1つのことしか書けなくなる、ということです。
「1つのこと」を書いたノートというものは、1つのことしか書いてないから、合理的に考えれば1つの文でうまく説明できるはず。
このときにもし「どのタイトルが適切か決められない」ということが起こったとするならば、それはたいていの場合ノートに2つ以上のことが書かれているからタイトルを決められない状態になっています。
適切なタイトル設定しようとすることでそのことに気がついたら、当然ノートを分割して2つのノートを作ればいいだけ。タイトルをきちんと考えることでこの「2つ以上あることに気がつける」というのはタイトル重視の姿勢であることの大きなメリットです。
要するに、適切なタイトルがつけられるかどうかは、ノートの中身がきちんと「1つのこと」になっているかどうかを確認する手段。
「ノートを少しずつ書く」の理論に従うと、少しずつノートを書いているうちにタイトルを変えたくなったり、ノートを分割したくなったりすることもあるかもしれません。そういうときは、何の躊躇もなくタイトルなんて変えてしまえばいい。
ごりゅごのノートには、本文に「もっといいタイトルがあるはず」と書かれたノートがたくさんあります。そういうノートは、また今度目にしたときに改めていいタイトルを考えればいい。ノートの中身と同じように、タイトルも「少しずつまとめる」くらいの距離感で付き合っていくのが大事です。
実際にどういうタイトルをつけるのか
タイトルの重要性、タイトルをつける意味がわかったとして、じゃあ一体全体ノートにどういうタイトルをつければいいのか。
以前はエバーグリーンノートのタイトルは他で使いまわしやすい文にするという言葉を使って説明していましたが、最近は「タイトルは体言止めでなくテーゼを書く」という言葉に感銘を受け、これを意識するようになっています。
「体言止めではなく、テーゼの形で書くべし」 ということである。 「Aについて」「Aのこと」「Aとは」「Aの件」「A」 ではなく、 「AとはBである」「AはBになる」「AゆえにBが言える」 という形式であるべきだということだ。
大岡さんが記事を書くきっかけになったのは以下のツイート。(これもとてもわかりやすい)

これらをひっくるめて簡潔にまとめて自分なりに言い直すならば、ごりゅごのノートタイトルを決めるコツは「わかりやすく結論を書くこと」となります。
タイトルという言葉を使うと、なんとなく書籍のタイトルやWeb記事のタイトルなんかが思い浮かんできますが、これらはたいていの場合「読んでもらうために最適化」されたもので、わかりやすさが最適化されたタイトルではありません。
「自分のノートを美しくまとめるための5つのアイデア」なんていうクソッタレなタイトルは自分のノートのタイトルにすべきではない、ということはきっと多くの人に直感的に理解していただけるはず。
ノートのタイトルも、Web記事のタイトルも「タイトル」という言葉自体は同じものですが、自分のために作ったノートタイトルは、自分のために、自分がもっともわかりやすい言葉を選ぶべきです。
たとえば「ノートのタイトルについて」というタイトルは中身が想像できないので「ノートのタイトルは簡潔に書く」にする。
「タイトルがなぜ重要か」というタイトルには結論がないので、「タイトルはわかりやすく結論を書く」と結論が書かれたタイトルにする。
また、上記の2つの事例を見てみると、結論を簡潔に書いたタイトルは他のノートからもリンクがしやすいという感覚がつかめるのではないかと考えます。
次回は、このノートの中身、タイトルについてもう少し深く掘り下げた、以下のような内容(どれかor複数の組み合わせ)をまとめてみたいと思います。
短いタイトルがつけられると頭が整理できる
断定口調で書く(曖昧、婉曲な言葉は間違いにも気がつけない)
少しずつ書く、と組み合わせてノートを書く
最後に余談なんですが、今後の展望などを。
最近は「ノート術に関して、具体的にどういうことをやってるか知りたい」という質問をいただくことが増えて、この質問にどうやって答えたものか試行錯誤しています。
自分が読者だとしても「具体的なノートの事例とかを見たい」と思うんですが、いろんな意味でノートの中身というのは気楽に「全体に公開」というのはできません。スクショを見せようとして見せられないものを加工するのも「偽物」になってしまうし、そもそもスクショに写ったノートは全部公開して問題ないのかというのを吟味するというのもけっこうな手間。(そして、本質的な価値ある行為とは思えないのでやりたくない)
そういうことを考えると「限定公開」という形が今一番いい方法かもしれないな、と思っています。
もともとナレッジスタックはいい形が見つかったら有料化したい、と考えていたんですが、見せづらいノートの中身を有料サービスとして公開する、というのも悪くないかもしれない。
一般論は全部無料で読めるし、ごりゅごがどうやってるのかとかを見たいのであれば有料の限定記事でその部分を見せる。
今回のノートでも、実際のノートとかを「最後の部分に載せる」とかができたら、もう一段階リアルなノートの事例を見せられるかもしれない。
限定であれば、パスワードとかが書かれたノートみたいなのだけ見せないようにするくらいでいいので、余計な精神力を消費せずノートのスクショなんかを公開できます。
まだまだ思いつきのレベルなんですが、ご意見ご感想などあれば、是非コメントやこのメールへの返信などで教えてください。
メールやコメント全てにはお返事はできていませんが、いただいたものはすべて読ませていただいています。
タイトルの付け方に納得できました。なぜかというと、飯間先生が著書で提唱している「クイズ文」という文章フォーマットは、短く完全な形で記録するZettelkasten等のノート記法として相性がよいと思っていたからです。クイズ文とは、「問い・結論・理由」により構成すれば文章は伝わりやすいという考え方です。その要素のうち問いOR
結論をタイトルにせよというのは、たしかに納得しやすいです。