ごりゅごの15年分のノート術経験を凝縮したObsidianシリーズ「Obsidianの全技術」
今回から、隔週更新でそんなものをお届けしようと思います。
もうちょっと具体的に言うと、ごりゅごの普段のObsidianの使い方を、Obsidianの画面を実際にお見せしながら、ゼロから体系的に、網羅的に整理して紹介していく、というもの。
ごりゅごの音楽師匠であるうりなみさん(デジタルノート歴は長いが、Obsidianはほぼはじめて)にいろいろ質問していただきながら、だいたい1回30分くらいを目安に、ごりゅごが普段使っているObsidianの実際の画面と、実際の操作方法などをお見せする動画+まとめテキスト、という形です。
このシリーズは、ごりゅごの15年分くらいの仕事術、ライフハック、デジタルノートの知見を多数盛り込み、何度も繰り返して見たり聞いたりする価値があるものにすることを目指しています。
そしてもうひとつは、理念や概念をぼんやりと説明するのではなく、ごりゅごが実際にどんな風に使っているのかという「具体的で実践的な内容」の紹介であることも特徴です。
デジタルノートを「普通」に整理すると「フォルダ」や「タグ」を使って整理する、というのがもっとも一般的な整理の仕方になるでしょう。
しかし、これまでの私の経験や、デジタルノートに「失敗」した方の話をまとめると、この方法ではほぼ間違いなくどんどん不便になっていき、やがて破綻し、使わなくなってしまいます。
もうひとつ「Obsidianと言えばリンクでしょ。リンクを使って整理するんでしょう」という話も有名です。
これはこれで「半分正解」ではあるんですが、実際のところすべてのノートをリンクで並べるだけでは、これもやがてノートが増えていくと、リンクだけではやがて目的のノートに辿り着けなくなっていきます。(ネットワークが複雑化し過ぎる)
リンクという仕組みは非常に素晴らしいものです。たぶん現状考えられる理想的な整理方法です。しかし現実的な話をすれば、そんな理想的な「リンク」を使っているだけでは「Obsidianを便利に使う」ことは難しいです。
じゃあどうするのか。
それを詳しく解説していくのがこのシリーズの目的ですが、まず最初にシンプルにまとめると、カギを握るのは「デイリーノート」です。
ごりゅごのObsidianの使い方は、とにかく「デイリーノートベース」です。そして「まずはどんなこともデイリーノートに書く」というのが基本です。
こうすることでまず「重要な情報も重要でない情報もまずはすべて記録する」ことができるようになります。
実はノートの整理が難しいのは「その情報が重要か重要でないかは時間が経たないとわからない」からです。(もちろん、100%すべてがそれに当てはまる、というわけでない)
特に、これは重要だと思った情報でも、2〜3日の間必要なっただけで、その後10年間まったく使うことがなかった、なんてことも当たり前にあったりします。逆に、なんとなくメモとして残すほどでもないと思っていたようなことが、今後何度も見返す機会がある重要なノートに発展していったりする可能性も大いにあるわけです。
だから、まずはデイリーノートになんでも書く。
重要か重要でないかはあとにならないとわからないから、まずは記録する。
そして、しばらく使って重要だとわかった項目は新しいノートとして分割し、大切に育てていく。
だから、デイリーノートの「整理」はほとんど必要ないけれども、デイリーノートを振り返ったりすることはとても重要です。
そしてもうひとつ重要なのが「育てる」という言葉。
ノートを育てる、という言葉。なんだかとてもかっこよくて「出来る人感
」が味わえそうなフレーズですが、これってなんか「育てる」って言っといたら賢そうに見られるからそう言ってるだけなんじゃないか、みたいに思うことはよくあります。
このシリーズの目標は「育てる」という言葉を曖昧なままで終わらせず、具体的にどんなことをしていくのかをイメージできるようにすること。
「育てる」という言葉をキーにして、実際に自分が使ってないノートを見せながら「いかにも」という感じでうまくObsidianを使えているかのように見せることも、やろうと思えば簡単にできるんですよね。
ただ、そんな見せかけだけの理想像を見せても、結局上手にノートの整理はできないんですよ。
どれだけ立派な理想があっても、現実は理想通りにはいきません。どんな厳密に分類を作っても、いつか必ず例外は出てくる。
長く使っていれば自分自身が変化し、そもそも最初に決めた分類が意味をなさなくなる。
そんなことは当たり前に起こります。
「ノートをずっと理想的な状態で使えてる」かのように見せつけている人のことは信用できません。そんなことが言える人は、脳内で考えただけで実際には使ってないか、Obsidianを使いはじめたときからの知的進歩がまったくない人の発言です。
ノートの使い方に理想の形はあるけれども、完璧な理想状態を維持し続けることは、無限の時間がない限り実現できない。そのことをきちんと理解して、手間や時間との折り合いをつけながら、できる限り丁寧に整理をする。「上手に整理」をすれば、すぐに必要なノートの95%くらいならば一瞬で見つけられる状態を維持できます。
そういう、理想だけじゃなく現実も踏まえたノートの整理の仕方、清濁併せ呑んだ、無理なく続けられるノートの使い方こそが、実際にノートを便利に使っていくには重要です。
そして、こういう現実的な運用で思いも寄らぬ大きな効果をもたらすのが、かつて「ライフハック」と呼ばれていたような、きわめて小さな工夫だったりもするのです。
こうしたことは、ひとつひとつがあまりにも小さいがために、情報を「見つける」ことも難しく、さらに文字や言葉だけでは伝えきれないようなことも多々あります。
「理想と現実」
「重要なテクニックと小さな工夫」
どちらかに極端に振り切ることなく、きちんと両方のバランスを取ってノート(Obsidian)を使う。
こうしたことこそが「挫折せず、長い間便利に使い続ける」ために重要な考え方です。
最初の話に帰ってくるんですが、そうすると結局一番役に立つのは、長く使っている人が、実際にObsidianをどんな風に使っていて、どんな工夫をしているのか、ということを知ること。これが一番の「挫折しない方法」ということになります。
そして、ごりゅごはObsidianの登場直後からほぼ毎日Obsidianを使いまくる生活を続けています。
少なくとも「Obsidianを使っている時間」「自分なりの工夫をしている時間」で言えば日本トップクラスであるという自負はあるし、この分野では最古参の情報発信者であるということは自信を持って断言できます。
そして、その経験を根拠に偉そうなことを言わせていただけば(少なくとも今回の内容は)何回も繰り返して見ながらメモを残すような価値がある内容になっていると思っています。
生成AIは間違いなく便利です。たとえば、この記事の下部にある「内容まとめ」は、生成AIで文字起こししたものを、再度生成にまとめてもらい、どんな話をしているのかまとめてもらっています。
しかし、なにもかもを生成AIに整理させる「だけ」では、あなたの知識は増えていきません。
そして、以前も書いたことですがが、生成AIが登場したことによって、現在はむしろ知識の重要性は増えてきています。
知識を獲得したり、学んだりする場合には、認知リソースと時間というコストをかけない限り、自分のものにはなっていかないのです。
このシリーズで紹介するObsidianの使い方は「生成AIを使って生産性爆上げ」みたいな切り口ではありません。
地味で基本的なことをきちんと丁寧にこなし、仕事や勉強の成果をきちんと積み上げていくこと。そのためのツールの使い方や、ツールを使って何をすればいいかを学ぶこと。
こうした手法を身に付けることで、仕事の成果を最大化したり、学びの成果を最大化できるようになると確信していますが、現代のコスパ・タイパ的な価値観では「非効率」に見えるかもしれません。
今回動画で紹介した内容は、まだごりゅごの実践方法のごく一部でしかありません。
こういうのも「一気に学ぶ」ことは「効率が悪い」のです。
大量の情報は、一度で処理できない。大量の情報があることを知りながら「できない」と感じてしまうことは大きな「挫折の元」にもなってしまいます。
まずは今回の動画をきちんとご覧いただき、よいと思った部分だけを「少しずつ自分が実際に使う場面に取り入れていく」
これによって、Obsidianが少しずつ身体の延長のように操作できるようになり「Obsidianを使って考える」ことに慣れていきます。
これは結果的に「書いて考える能力」につながり「生成AIに上手に質問する能力」を高めることにもなるでしょう。
結局なにかを「できる」ようになるためには、継続的な実践という「コスト」が必要です。
そして、コストを払い続けていくには、一定程度のモチベーションも重要になってくるでしょう。
そうしたモチベーションを維持するための場所として、今はナレッジスタックのDiscordが存在しています。
動画の内容についてもクローズドな場所で安心して質問していただくことができるようになることで、「学ぶ環境」としての価値も出てくるようになっていきます。
今回の動画は8月10日(日)までどなたでも見られるようにする予定ですが、それ以降は有料会員限定のコンテンツにします。また、今後2週間に1回の配信を行いますが、基本的にそちらも有料会員限定のものにする予定です。
セミナーのアーカイブ動画もすでに3年分溜まり、有料会員の方に提供できているコンテンツは、質も量もかなり充実したものになってきています。コンテンツの充実と昨今の物価高ともあわせて、9月からは有料会員の料金も値上げを考えています。
今回のコンテンツや、Discordという学びの場所に興味を持っていただけたならば、有料会員への加入も是非ご検討ください。
「読み物」としてだけではなく、主体的に参加して学ぶ「習い事」のようなものだと考えていただくことで、これまで以上に価値あるものをご提供できると思っています。
以下は生成AIによるテキストですが、どの辺りでどんなことを話しているのかもざっと整理しました。何回かご覧いただく際に、あの話どこにあったかなー、というのを探す時なんかにご利用ください。
思考のコックピットとしてのObsidianレイアウト (00:00~)
変則3ペイン構成という考え方
Obsidianの画面は、自分の作業に合わせて自由にレイアウトを変えられる。ごりゅごさんの場合、左にファイル一覧、中央にメインの作業スペース、右にカレンダーと「作業中ノート」を置くのが基本。こうすると、必要な情報がいつも目の前にあるから、作業に集中しやすい。
司令塔としての「作業中ノート」
多くの人がデイリーノートのテンプレートに書くような「今日のタスク」や「短期的な目標」は、ごりゅごさんの場合、独立した「作業中ノート」にまとめている。テンプレートだと一度作ると変えにくいこともあるけど、このノートは普通のノートだから、その日の気分や状況に合わせて自由に書き換えられる。計画が生き物みたいに変わっていく感じだね。
ピン留め:思考の散らかりを防ぐ
右サイドバーに置いた「作業中ノート」は、ピン留めしておくのがおすすめ。こうすると、他のノートのリンクをクリックしても、このノートは常に表示されたままになる。作業中に他の情報を見ても、すぐに自分の中心となるノートに戻れるから、思考が散らかりにくい。
ワークスペース:思考モードを切り替える (06:34~)
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