最近、ChatGPTに毎日質問することの他に「〜について調べたノート」というタイトルのノートを意識して作るようになりました。本質的には「ノートタイトルの工夫」だけなんですが、それによってかなりObsidianを快適に使えるようになったので、ちょっとまとめてみたいと思います。
「〜について調べたノート」というのは、いわゆる「リサーチ」のときに作るノートです。ナレッジスタックでのメインの話題になるPKM的な知識を整理するノートというよりは、その1つ前の段階。知識を整理する前段階で、特定の情報を集める目的で作るノートです。
そもそも、以前からこういうノートは存在していたんですが、ジュン先生が紹介してくれているデイリーノートの使い方に影響を受けて、きちんと言語化して意識できるようになりました。
こういう「なんとなくのこと」を自分以外の人からの影響で言語化できるという体験は、たぶん自分も嬉しいし、影響元としても嬉しいのではないと思うので、そうやって「影響を受けた」こともきちんと言語化したい、というのもここでまとめる理由の1つです。
この「〜について調べたノート」とはどういうものか。ジュン先生はジュン先生でやり方を紹介してくれていますが、自分の場合はどんな感じで使っているのかというのを簡単に紹介したいと思います。
ネットで集めた情報を「書きながら整理するノート」
そもそもまずこういうノートはどんなときに作るのか。こういうのは具体例があるとわかりやすいので、最近作った「〜について調べたノート」を紹介します。
食洗機について調べたノート
弥生会計について調べたノート
デジタルミラーについて調べたノート
自重筋トレについて調べたノート
バランスボールを椅子にすることについて調べたノート
通販できる納豆について調べたノート
他にも、以前のセミナーで紹介した「クロールの泳ぎ方について調べたノート」なんかもタイトルを「〜について調べたノート」の形式に合わせていたりします。
目的は「情報を集めて整理する」ことですが「知識を整理する」というよりはもう少し生活に密着したライトな調べものという感覚があります。
こういうコンテンツは今も昔もウェブ上で「まとめ」や「比較」が作られやすいコンテンツですが、結局「自分が欲しいものは自分でまとめるかしかない」ということは今も昔も変わっていませんね。いかがでしたか?と言われると「余は不満足である」と答えたくなるものがいっぱいです。
まずはデイリーに書く
実は最近こういったノートを意識して作るようになって気がついたんですが、以前の自分はこういうことをかなりの割合で「感覚的に」「頭の中だけで」やっていました。
いろんなページを読み漁って、頭の中だけで「どれがいいのか」「どうしたらいいのか」を考える。人間は「短期記憶の容量が小さい」ので、たくさんのページを見てもそれぞれの内容をちゃんと覚えていられません。それによって、結果的には同じ情報を何度も見比べたり、調べ直したりなどの不毛な堂々巡りを繰り返していたことがよくありました。
結局こういうときも「整理するには書く」ことが一番です。そのあたりは完全に『アトミック・シンキング』と同じ考え方です。
つまり、いろんなウェブページを見比べて情報を集めるときも、ひたすら大量のタブを開きまくるのではなく、1つ1つの情報を「書きながら整理する」ことが重要なのです。
では具体的になにをするのか。基本的にはジュン先生が紹介してくれているデイリーノートの使い方と変わりません。
気になった情報についてひたすら「書いていく」ことが基本です。とにかくたくさん「書いて整理」します。頭で覚えようと思う気持ちはゼロにして、ひたすら書いていく。
食洗機について調べるならば、まずはどういった食洗機があるのか。費用はどのくらいなのか。自力で交換は可能なのか。調べて出てきたWebサイトのリンクを残して、そこに書かれていたことを自分のことばで「書く」
一気に大量の情報を処理しようとするのではなく、1つ1つのものごとについて「何が書いてあって」「それを元にどうしたいと思うのか」を書く。
ウェブで調べた情報の場合は「リンクを貼る」だけでなく「そこにどういうことが書いてあって何がわかったのか」を簡単に自分の言葉でまとめておくことがポイントです。
(なお、こうやって情報を集めるときにはデイリーノートに追記、デイリーノートをワンタップで開く2つのショートカットが非常に役立ちます)
翌日にデイリーノートは「アトミック」に分割する
次にやることは、翌日にこういったノートを「アトミックなノート」に分割することです。
ひとまずなにか調べものをするときは「どこに書くか悩まないため」にデイリーノートに記録を残しますが、デイリーノートは翌日以降は目にする機会が極端に減ってしまいます。
このままでは「調べただけで放置」になってしまうので、そうならないためにも独立したノートを作り「〜について調べる」ということを何回も振り返りながら調べる「タスクノート」に変換します。
そして、これらのノートもSpaced Repetitionプラグインを使って「振り返り」ができるようにしておきます。
→「緊急ではない重要なこと」を進めるためのObsidianを使った仕事術・ノート術
これで調べたいことはノートの振り返りシステムに組み込まれます。次回以降は「ノートの振り返り」をする際に続きを実行していきます。
ノートの振り返りできちんとやりたいことを実行するためにも、毎日多少の「ノートを振り返る時間」を確保することも重要です。
少しずつノートを作る
ここでも重要なのは、調べものを「一回で終わらせようとしない」ことです。
ごりゅごは、とにかく最近はこうやってあらゆるものごとを「複数回にわけて進めていく」ことを基本にしています。
1つのものごとを複数回に分けて実行すると、一時的に前回やってたことを忘れてしまっていて、それを取り戻すのに時間がかかったりすることもあります。ただ、大抵それは何をやってその後何をやろうとするかを「きちんと記録できてない」ことが原因です。
むしろこうやって、複数回にわけてものごとを実行するのは、いつ振り返ってもきちんと思いだせるノートを作る練習になるとも言えます。丁寧な記録を残すことは、多少面倒だとしてもノートの「寿命」を伸ばすことにもつながるのです。
また、こうやって「調べもの」というタスクを1つ1つのノートに分割することは、Obsidianに破綻しないGTDインボックスの仕組みを作るに書いたことにもつながる話です。
「すべてのことを完璧にこなすことは現実的には不可能」だけど「やりたいと思ったことは無数にある」
その中で、どれを優先して進めればいいのか。それは純粋に「時間と相談」するしかありません。「ノートに書いてあることを実行する時間」を確保して、その時間内でできることだけやるしかありません。
あとはその時間内で「手を付けるべきノート」をSpaced Repetitionというツールを使って「デジタルで上手に管理する」
「いま自分が興味があること」を「デジタルツールの振り返り機能を使って」「自分が使える時間内でできる限りのこと」を実行していく。
この方法を使う限り、いつかやりたいと思ったことは先送りしてもいつか必ずもう一度目にすることができます。「やりたいことは忘れたくない」し「やりたいことは全部やりたい」というのは妄想でしかありませんが「ノートをSpaced Repetitionで振り返る」という方法を使えば疑似的にそれは実現できるのです。
何はともあれ、まずはどんなことも「少しずつ進めること」と「進めたことを後から見てわかるように記録を残しておくこと」です。
そういう観点で言うと「〜について調べたノート」というノートタイトルはなにをやっていたのかわかりやすいタイトルだし、同じようなことをするときに悩まずにタイトル付けができるようになります。そして、そういうちょっとしたことは、長くノートを使っていく上でまったくもってバカにできない「とても便利な技」ではないかと思います。
「〜について調べたノート」以外にも、よく使うタイトルなどがあれば、コメント欄、このメールへの返信などで是非教えてください。