情報整理に活用するObsidian以外のツールが書けたので、今回は「Obsidianでどんなことをしているのか」というものの2024年末時点のものを整理してみたいと思います。
大きく分類すると、だいたい6種類+αに分けることができました。
もちろん100%すべてのノートをこの基準で分類できるというわけではない(昔のノートとかどうなってるかわからん)んですが、体感的には99%以上のノートはこれから紹介するどれかに分類できると思います。
デイリーノート(やることやったこと+メモ)
デイリーノートはObsidianを使うにあたって一番重要なノートです。
デイリーノートさえうまく使えていれば情報整理はうまくできている。そう言ってもほとんど問題ないくらいデイリーノートと言うものがすべてのベースになるノートだと考えています。
では具体的に、デイリーノートというものにはどんなことを書いているのか。ごりゅごのデイリーノート大原則は「その日のことをなんでも書く」「なにを書いても自由」なんですが、それだけではさすがに説明にならないので、もうちょっと具体的に整理してみます。
まず基本的に、デイリーノートで一番大切なのは「これからやろうと思うこと」と「やったこと」の2つを書き残すこと。順番をどうするとか整理することとかを考えず、とにかく思いつくがままになんでもひたすら書き連ねていきます。
とは言え、デイリーノートに「やること、やったこと」しか書いていないのかというと、そんなことはありません。
たとえば、なにか調べものをして気になることがあればそのことをデイリーノートにメモするし、アイデアや思いつきなんかがあれば、それも今日のデイリーノートに書いておきます。
今晩のご飯はこれにしようだとか、明日これやろうといったことでも、とりあえず思いついたらデイリーノートにメモ。そして、明日になったらまた翌日のデイリーノートを使い始める。
基本的に、一日が終れば、その日のデイリーノートの役目は終了です。デイリーノートを整理する、みたいなことは考えません。とにかく「今日のことは今日のデイリーノートに書かれている」という原則が守られていればデイリーノートの目的は達成です。
後述するウィークリーノートを作るタイミングで一度デイリーノートを見返しますが、その時も「ごく一部の例外だけ整理する」という程度。90%以上は整理されていない、汚いままで残っています。
これは、ごりゅごのObsidian哲学なんですが「デイリーノート以外のノートはできるだけ整理しておいた方がいい」けれど「デイリーノートだけはどれだけぐちゃぐちゃで整理されてなくても問題ない」という考え方が、シンプルで手軽にデジタルノートを使っていくポイントだと思っています。
できればいろいろなことを「書いて」記録として残しておいた方がいい。でも、毎日何個も丁寧にノートをつくるのは大変すぎる。だからまず、デイリーノートになんでもいいから書いておく。でも、整理は大変だから基本的にしなくていい。ごく一部の例外的に重要なノートだけ、ちょっと丁寧に整理する。
自分自身でこの哲学を完璧に守れているかというと、もちろん「完璧」ではないんですが、少なくともこの原則を常に意識はしています。
この考え方をすると、まあ気楽にデジタルノートが使えるようになるんですよ。整理をしたいならばしてもいいけど「整理をしない」が標準の状態なので、整理をできていないことが心的負担にならない。ノートが整理されていなくても「そういうルールだから」ということですべてを許せる。
特に「マジメ系」の人にはこの考え方を強くオススメしたいです。
ウィークリーノート(予定・週刊記録)
ウィークリーノートは、現在デイリーノートと同じくらいの重要度になりつつあるノートです。
これは言ってみれば、デイリーノートの1週間バージョン。
とは言え、デイリーノートとまったく同じ概念のノートではなく、もう少し「ルール」が存在しています。
基本的には、ウィークリーノートには「予定」と「週単位の趣味記録」の2種類だけのことを書くようにしています。
まだ使い始めて数ヶ月程度で、今後の変化の余地は大きいですが、詳しくは以下の記事などでまとめています。
(細かい話ですが、普段使っているノートは「02. 作業中 🔨」という名前のノートで、1週間が終るとその内容を丸っと「先週のウィークリーノートにコピーする」という方法でウィークリーノートを運用しています。こうすると、自分が普段使うウィークリーノートは常に同じ名前のファイルになります。常に名前が同じおかげで、たとえばObsidianのワークスペースをずっと同じ状態で使い続けられる、などのメリットがあります。ウィークリーノートは名付けも難しいですが、Obsidianのカレンダープラグインで自動で作られる名前(ex.2024-W51)をそのまま使っています)
読書メモ
読書メモは、Obsidian全体のノートの大半を占めるノートたちです。
なにか本を読む時は、その本のタイトルのノートを作り、そこに読書メモを記入。
書いたメモはできる限り細かくノートをわけて(アトミックノート)、本に書かれていたことの理解を深めることを目指しています。
ごりゅごがObsidianを使い始めて一番に興味を持ったのが、読書メモをいかにうまく作り、いかにうまく活用していくかということでした。
大きな理念は『アトミック・シンキング』で語っており、今も基本的な考え方は変わっていないません。
これは4年くらいずっと試行錯誤し続けていて、最近ようやく「(読書メモという意味での)自分が求めるアトミックノートのあり方」がわかってきたような気がします。
ノートを整理するためのノート
ノートを整理するためのノートには「トピックノート」という名前をつけています。
始まりは、読書メモを「本」とは違った切り口で整理するためのノートでした。
読書メモを作っていく中で、たとえば「タンパク質」についてのノートがたくさん集まってきたな、と感じた時。そういう時に「📋タンパク質」というノートを作り、そのノートからタンパク質に関連しているノートへのリンクを集めて整理します。
ある程度のノートが集まってきたら、それらに見出しを付けたり順番に並べ替えたりして整理することによって、タンパク質に関することを様々な観点で考えることができるようになったり、もっとこういうことを知りたい、と気がついたりなど、ノート整理によって様々な効果を得ることができます。
ただ最近はそうしたノートだけでなく、もっと広い意味で「特定のテーマ」について整理したノート。これらはすべてトピックノートである、と考えるようになりました。
たとえば「今週やることを集めたノート」はトピックノートだし「2024年に読んだ本」を並べたノートもトピックノート。
つまり、なにか気になること、整理したいことがあって、それをリンクを使って整理したノートは全部トピックノートだと言えるのです。
この考え方が当たり前になってくると、Obsidianを自然に「リンクで使う」ことができるようになってきます。
「自分がよく使うノートをリンクで整理したノート」を起点にすることで、フォルダなどを使うよりもずっと自由に、フレキシブルに「よく使うノート」をよく使う場所に置いておくことができるようになります。
こうやってトピックノートを使う幅が広がってくると、だんだんとトピックノートさえあればObsidianはうまいこと使える、という自信を持てるようになってきます。
仕事1つに割り当てる仕事ノート
仕事ノートは、文字通り「仕事」に関することを「1つの仕事につき1つのノート」という原則で運用するノート。
Obsidianの中で使っている時間が一番長いのが、この仕事ノートです。
仕事ノートについても、語ろうと思うと無限に長くなるので、詳しくは以下2つの記事をどうぞ。
1つの仕事で1つのノートを作って進めるタスク管理 - by goryugo - ナレッジスタック
『アトミック・シンキング』実践セミナー027 動画アーカイブ - by goryugo - ナレッジスタック
ジョニーデシマル的なライフログ・生活管理
ジョニーデシマル的なライフログ・生活管理のノート達は、ウィークリーノートと同じく使い始めてから間もないため、どんなことに使っているのかをまとめづらいノート達です。
あえて一言で整理するなら「エバーノートに保存しといたら便利そうなもの」という言い方が、ニュアンスとしては一番近いかも。
たとえばそれは、保険に関すること(どんな保険に加入しているのか、どんな内容なのか、証券はどこにあるのか)みたいなことだったり、お金に関すること(銀行口座や投資信託などの情報)といった、生活に関して文書として整理しておくと便利になりそうなもの。
とは言え、ジョニーデシマルで整理しているのは生活に役立つものに限りません。
読んだ本、マンガなんかのログを残しておくライフログ的なことや、ギターの練習に関するログ、資料などの、趣味的なものも一緒にこの仕組みを使って整理しています。
基本的には「変化しない情報」を保管しておく場所で、保管するものを「構造化して」「番号を付けて整理する」ことで使いやすくなる、というのがジョニーデシマルの原則。
ジョニーデシマル(Johnny.Decimal)という情報整理方法について - by goryugo
Obsidianでジョニーデシマル(Johnny.Decimal)を試してみるときのコツ - by goryugo
たぶんこれは年単位での調整が必要な規模がでかいものなので、一気に作りあげようとは思っておらず、来年1年使ってある程度用途をさだめることができたらいいな、くらいに思っています。
ごりゅごがナレッジスタックで紹介している「アトミックノート」って、確かに「学ぶ」とか「考える」「賢くなる」という用途では非常にすばらしいんですが、これは必ずしもそれは万人にお勧めできるデジタルノートの使い方ではありません。
ですが、この「ジョニーデシマルを使った情報整理」というやつは「ほとんどすべての人に役立つもの」になると感じています。
来年は、もう少しこの「ほとんどすべての人に役立つもの」についても掘り下げていけたらいいな、と考えています。
その他
その他Obsidianで整理しているものとして「料理のレシピをまとめるノート」と「ギター練習ログ・機材や練習方法のメモ」というものもあります。
これらは非常に趣味性の高い個人的なノートなんですが、ノートの数もそれなりに多く、重要だと感じていて、使う頻度も多いノート達です。
そしてもう一つ、Zettelkasten的に本を作っていく練習ということにも(何度目かわからないけど)チャレンジしています。
もう本当にこれまで何度もZettelkastenを本作りに活かす実験はしているんですが、今まではせいぜい「目次作る時に便利だった」というくらいのものでしかありませんでした。
今回は(成果が出るのには時間がかかるし、言語化するのはまだ難しいけど)ようやくどうやって使えばいいのかがわかってきた、という感触が得られてきています。
ここが、もう一歩深いところまで活用できるようになれば、もう1段階自分の「デジタルZettelkastenが進歩した」と言えると思うので、来年はこの部分にも力を入れて生きたらな、ということも思っています。